研究課題/領域番号 |
23K11452
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63040:環境影響評価関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
清水 健一 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 教授 (20533946)
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研究分担者 |
広瀬 美由紀 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 准教授 (00455502)
筒井 英人 長崎大学, 水産学部, 特任研究員 (00774390)
青島 隆 長崎大学, 水産学部, 准教授 (40244040)
森井 康宏 長崎大学, 水産学部, 教授 (50200390)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 計量魚群探知機 / 海中 / 浮遊ごみ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまで実態が不明であった海中に浮遊するごみについて、目で見える大きさのプラスチックごみ(大きさ十数cm四方のレジ袋を想定)を船舶に搭載されている広帯域の計量魚群探知機により定量的に調査する技術開発を目指す。そのため具体的な到達目標として、①対象物を80%以上の正答率で見分ける事、②定量評価の基礎資料となる単体での反射強度(TS)や複数個の体積後方散乱強度(SV値)を明らかにする。広帯域の音響機器を使用するで、(1) 精度よく鉛直方向の分布情報を瞬時に取得でき、かつ、短時間で広範囲を調査可能、(2) 曳網調査より海況の影響を受けにくい、などの利点を生かすことが出来る。
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研究実績の概要 |
本研究は海中を浮遊するビニール袋のような大きさの漂流ごみを広帯域計量魚群探知機により検知し、定量評価するための基礎的な技術開発を目指すものである。 そこで研究の初年度となる令和5(2023)年度は、そもそもどのようなものが漂流ごみとして存在しているか、その種類や分布密度を長崎大学水産学部附属練習船長崎丸、鶴洋丸で九州西方の五島灘、東シナ海を中心とした海域で調査した。一方、実際に船舶に搭載されている計量魚群探知機を用いて漂流ごみを映像として判別できるのか、長崎大学水産学部附属練習船鶴洋丸において実際にビニール袋を魚群探知機の送受波器の真下に設置し、画面上でビニール袋が映像として現れるか調査した。その結果、実際にビニール袋と思われる反応が魚群探知機の画面上で表示され、ビニール袋のようなものであっても検出は可能であると考えられた。 一方で計量魚群探知機から海中を浮遊するごみの分布密度を調べる場合にはSV値(堆積散乱強度)を直接計測する必要があるが、当該魚群探知機では映像のみで出力されるため、SV値の計算は現状ではできない。そこで、SV値を算出できる機種に換装する必要があり、令和5(2023)年度はその仕様の検討や取り付け工事について実際にドックで上架した際(2024年2月)に設置場所の確認を行った。令和6(2024)年度のドック上架時(2025年2月)に選定した機種に換装する予定で今後進めていくことになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度においては、実海域における漂流ごみの調査や実際にビニール袋が魚群探知機の映像に映るかどうかについては当初の計画通り、実施することができ、この点については当初予定していた進捗と比較してほぼ予定通り進めることが出来たと考えている。 一方、当初はSV値(堆積散乱強度)が直接出力される計量魚群探知機を令和5(2023)年度のドック上架時(2024年2月期)に換装する予定であったが、船底の取り付け状況が不明なことなどから実際には換装することができなかった。そのため、実船での調査に関しては令和6年度の調査も令和5年度の調査とほぼ同様となることから全体的な進捗状況を総合的に評価すると「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
実海域における漂流ごみの調査や実際にビニール袋が魚群探知機の映像に映るかどうかについては令和5年度の調査により実施したが、引き続き、データをより多く集める必要があることから令和6年度も同様の調査を継続して実施する。 一方、SV値(堆積散乱強度)を直接計測可能な計量魚群探知機への換装については、令和5(2023)年度に機器の仕様については検討が完了しており、その選定した機種を令和6(2024)年度のドック上架時に換装する予定となっており、今後、ドックやメーカーとも換装に向けた詳細な打ち合わせを行う予定である。 さらに、令和6(2024)年度には実際にビニール袋等の水中を漂流する物について、専門の計測設備を有する北海道大学水産学部の実験水槽をお借りしたり、海洋観測機器メーカーの協力を頂き、デモ機を用いていくつかのパターン(形状)でSV値(堆積散乱強度)の計測を試みる。
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