研究課題/領域番号 |
23K11454
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63040:環境影響評価関連
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
小島 弘幸 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (10414286)
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研究分担者 |
宮下 ちひろ 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 客員研究員 (70632389)
窪田 篤人 北海道医療大学, 薬学部, 助教 (70879931)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | AhR活性 / 疫学 / レポーター遺伝子アッセイ / ヒト血清 / 炎症性腸疾患 / トリプトファン代謝物 / AhR / ヒト血液 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、免疫の抑制系細胞群としてTregの存在が明らかにされ、その分化誘導・抑制がAhRのリガンドにより制御されることが報告されている。生体でのAhR活性化レベルの違いが、炎症性疾患やがん疾患などに関与していることから、ヒト血中AhR活性を測定することは重要である。 本研究では、高感度AhRレポーター細胞株 (DR-EcoScreen細胞) の適用性を調べるとともに、新たにヒト細胞株を用いたAhRアッセイ系も確立・比較することで、大規模疫学調査に適用可能な最適な測定系を開発する。また、血中に含まれる主要なAhR活性化物質を機器分析等の併用により明らかにすることで、上記疾患への予防対策に貢献する。
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研究実績の概要 |
近年、免疫の抑制系細胞群としてTregの存在が明らかにされ、その分化誘導・抑制がAhRのリガンドにより制御されることが報告されている。生体でのAhR活性化レベルの違いが、炎症性疾患やがん疾患などに関与していることから、ヒト血中AhR活性を測定することは重要である。本研究の目的は、高感度AhRレポーター細胞株DR-EcoScreenやヒト細胞株を用いてヒト血中AhR活性の測定法を確立し、各種疾患との因果関係から将来的に疫学調査への活用を図ることである。2023年度は、以下の内容を実施した。 (1)ヒト血中AhR活性の測定法開発を既法(Rothhammer et al. 2018)に従い、10%ヒト血清存在下でのレポーター細胞株のルシフェラーゼ誘導能を指標に条件検討を行った。 (2)マウス肝由来Hepa1c1c7細胞株にDCDR7プラスミドを組み込んだ DR-EcoScreen細胞株(Takeuchi et al. 2008)を使用し、Trp代謝物のTCDD活性等価係数を明らかにした(Kubota et. al. 2024)。 (3)ヒト腎由来HEK293細胞株にDCDR7プラスミドを一過性に導入した細胞株を用いてDR-EcoScreen細胞株との反応性を比較した。ヒトAhRに対するTrp代謝物の反応性は、マウスAhRに対する反応性とかなり異なっていることを確認した。 (4)以上のことから、DCDR7プラスミドを安定導入したヒトHepG2細胞株の作製を開始し、候補となるいくつかの細胞株クローンを見出している。大規模疫学調査の測定細胞株として今後検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり遂行していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
①DCDR7プラスミドを安定的に組み込んだヒト細胞株の作製(2024年度):2つの細胞クローンを採取し、解析中。 ②ヒト細胞株を用いたTrp代謝物の測定と寄与率の算出(2024年度):Trp代謝物のTCDD活性等価係数を明らかにする。強いAhR活性を示す物質は、機器分析により血中濃度を測定し、TCDD活性等量からTCDD活性等価係数を用いて、血中AhR活性における寄与率を算出する。 ③IBD患者血清を用いたAhR活性と疾患との関係解明(2024-2025年度):本研究で開発された測定法を用いて、IBD患者血清と健常者血清(各50試料)についてAhR活性の比較測定を行う。数試料を用いてヒト血中AhR活性の日内変動も確認調査する。 ④開発された測定法による疫学調査の試み(2025年度):疫学研究への応用を目指し、北海道コホート研究で使用している臍帯血と3歳児血清(50組)を用いて、可能であればAhR高活性群と低活性群に分け、アンケート調査に基づき免疫異常症との関わりを小規模で予備的に調査する。
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