研究課題/領域番号 |
23K11463
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 鈴鹿工業高等専門学校 |
研究代表者 |
甲斐 穂高 鈴鹿工業高等専門学校, 生物応用化学科, 准教授 (50518321)
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研究分担者 |
岡 芳樹 鈴鹿工業高等専門学校, 電子情報工学科, 講師 (30751797)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 魚類行動解析 / 農薬・医薬品 / 尾ひれ周波数 / フーリエ変換 / バイオアッセイ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、メダカの泳ぎ方(尾ひれの振動数)を解析することで、水中に存在する農薬や医薬品等の検出を試みる。具体的には、農薬や医薬品が溶解している液中でメダカを泳がせて、泳ぐ様子を動画撮影する。この動画を画像処理して、メダカの骨格を1本線として抽出し、尾ひれの振幅(左右に揺れる動き)をフーリエ変換して周波数(振動数)に換算する。農薬や医薬品が溶解している液中を泳ぐメダカと普通の水を泳ぐメダカの周波数を比較して、周波数値が異なっていれば、農薬や医薬品の影響を受けて泳ぎ方に差があることになる。この理論を利用して、泳ぎ方の差により、水中に存在する農薬や医薬品等の検出を試みる研究である。
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研究実績の概要 |
研究実績の概要は、以下のとおりである。 1)メダカの泳ぎ方(尾ひれの周波数)から水中に存在する農薬や医薬品等を検出するために、まず、円筒形の水槽(内径6cm-水深1.5cm)を速度5rpmで回転させて水槽中のメダカの遊泳を誘発し(メダカは水槽が回る向きに逆らう方向に泳ぐ)、これを動画撮影する測定系を確立した。そして、撮影したメダカの遊泳動画を動画編集ソフトであるPowerDirectorとVisual Studioを組み合わせて解析し、最終的にフーリエ変換を適応して、遊泳中のメダカの尾ひれの周波数を算出するツールを確立できた。 2)対象区のメダカの尾ひれの周波数は、1-30Hzの間で特定の周波数強度を示さなかった。一方で、農薬(イミダクロプリド)と医薬品(抗うつ剤:アミトリプチリン塩酸塩、抗精神薬:クロルプロマジン塩酸塩)を48時間曝露したメダカの尾ひれの周波数は、4-8Hzと24-28Hzの2つの周波数領域で特異的な強度が示され、遊泳に異常が認められた(検定の結果、有意差あり)。また、アミトリプチリン塩酸塩とクロルプロマジン塩酸塩を混合した場合でも、先述と同様の特異的な周波数強度が示された(検定の結果、優位差あり)。 3)イミダクロプリド、アミトリプチリン塩酸塩、クロルプロマジン塩酸塩に48時間曝露したメダカを通常の飼育水(脱塩素水)で48時間飼育して、その際の尾ひれの周波数を測定したところ、4-8Hzと24-28Hzの2つの周波数領域で特異的な強度が出現する割合は30%ほど低下した。この低下について優位差は認められなかったが、これらの物質を取り除くことで遊泳の異常は改善される可能性があると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メダカの尾ひれの周波数測定の方法を確立することが、研究期間内で研究課題を順調に進めるための最優先課題であった。この方法を確立することができ、対照区のメダカの尾ひれの周波数測定に成功し、また、複数の化学物質(農薬・医薬品等)を曝露した際のメダカの尾ひれの周波数測定にも成功して、有意差検定を含めての成果を挙げられた。これにより、残り2年の研究期間で本研究を順調に進められる見通しがたったため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度(令和5年度)に確立した尾ひれの周波数解析ツールを用いて、農薬や医薬品等の化学物質に曝露したメダカの遊泳状態について解析していく。具体的には、尾ひれの周波数に特異的な強度領域が見られる各物質の最低濃度(無影響濃度)や、尾の特異的な強度の濃度依存関係を明らかにする。また、化学物質に一定時間曝露した後に出現する特異的な尾ひれの周波数強度が消失するタイミングについても検討を行う。加えて、確立した尾ひれの周波数解析ツールが適応できるメダカの最小体長サイズを検討する。
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