研究課題/領域番号 |
23K11473
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
柳平 丈志 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (10323213)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 浄化槽 / 高電圧 / パルス放電 / 促進酸化処理 / 微生物担体 / 難分解性有機物 / 促進酸化 / 沿面放電 / 医薬品 / 有機有害物質 |
研究開始時の研究の概要 |
人口減少時代の下水処理インフラで浄化槽が期待される役割は大きい。その放流先は生活圏内の水路であるため、浄化槽で生分解または吸着されない殺菌剤や医薬品等は、身近な水環境に放出されている。従って、これらによる生物への影響や薬剤耐性菌の拡大が懸念される。そこで本研究では、浄化槽内に組み込んだ回転電極により周囲の酸素と水から化学活性種を発生させ、その酸化作用により殺菌剤や医薬品などを生分解できる程度にまで分解したうえで、細菌や原生動物に取り込ませて除去するプロセスを試験する。
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研究実績の概要 |
SiC MOS-FET により発生させた短パルス大電力を用いて、水中のリアクタに対して電磁誘導により給電を行う装置を製作し、促進酸化処理の試験に十分な出力が得られるようになった。可変パルス幅高電圧発生回路についてはフェライトコア材の選択についての知見が得られ、基本設計が完了した。 促進酸化処理に関する実験のうち、高電圧パルス放電による促進酸化処理と生物処理との共存可能性を検討するため、処理槽の微生物担体に保持された菌の経時変化の測定を行った。9 kV の高電圧パルスをリアクタに印加し、リアクタの中心軸から6cmの位置に微生物担体を置いた場合、60分間の運転により亜硝酸菌(アンモニア酸化細菌)による硝化活性が約30%低下した。リアクタからの距離が8cm を超えると、60分間の運転では硝化活性への影響は見られなかった。 促進酸化処理の対象物質としてメチレンブルー色素を用いた場合、リアクタへの印加電圧が 9 kV, 50 ns では、メチレンブルー分解量はピーク電圧の2.3乗に比例し、パルス幅にはほとんど依存しなかった。 可変パルス幅高電圧発生回路の設計では、リアクタに対して電磁誘導で給電するためのフェライトコアの飽和を防ぐために、メインパルスに先立ち逆電流による予励磁を行う回路方式を検討し、飽和磁束密度・透磁率・損失の異なる幾つかのフェライトコア材の中で、リアクタに対してより高いピーク電圧を供給するためにN49材が有利であることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全有機炭素(TOC)・生物学的酸素要求量(BOD)・アンモニア態窒素・亜硝酸態窒素・硝酸態窒素などの水質項目や、放電電気量など水中の沿面放電に関連した電気的測定系の整備を完了した。 可変パルス幅高電圧発生回路についてはフェライトコア材の選択についての知見が得られ、基本設計が完了した。 また、微生物担体を用いた生物処理水槽では、人工下水を対象として定常的な硝化作用を確認できたため、前述のリアクタを用いた促進酸化処理に着手できる状況になった。 そこで、促進酸化処理に関する実験のうち、処理槽の微生物担体に保持された菌の経時変化の測定に着手した。
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今後の研究の推進方策 |
可変パルス幅高電圧発生回路の製作に着手する。これと並行して、現状の電源を用いて以下の3つの系列を運転し、水質の経時変化と共に、水中に浮遊する菌と担体に保持された菌の経時変化を調べて、運転パターンに関する知見を得る。 系列 1: 生物処理完了後の上澄みを別の水槽に移送し、移送先で促進酸化処理を行う。(微生物担体が放電の影響を受けない) 系列 2: 生物処理が完了してから同じ水槽内で促進酸化処理を行う。(微生物担体が放電の影響を受ける) 系列 3: 生物処理中に同じ水槽内で促進酸化処理を間欠的に行う。(微生物担体が放電の影響を受ける) これらの系列の運転状況を比較検討し、促進酸化処理と生物処理を相補的に運用する方法を見出す。令和6年度中に、可変パルス幅高電圧発生回路を用いた促進酸化処理と生物処理を交互に行う実験を開始し、放電電力の投入量を適正とする省エネルギーな運転方法についても検討する。令和7年度には、抗生物質などの殺菌剤や特に難分解とされる物質の処理状態および処理水の生態毒性を調べて、研究目的の達成を目指す。
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