研究課題/領域番号 |
23K11475
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
日下部 武敏 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (40462585)
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研究分担者 |
高岡 昌輝 京都大学, 工学研究科, 教授 (80252485)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 水銀 / 水銀廃棄物 / 固型化 / 溶出試験 / 最終処分場 / 溶出メカニズム / 溶出モデル / 長期挙動予測 |
研究開始時の研究の概要 |
水銀は元素でそれ以上分解されないため、人工的なシンクとなる水銀廃棄物の環境上適正な長期管理が必要である。水銀廃棄物は新たな廃棄物であるため、その長期的な劣化や水銀溶出に関する知見は不足しており、長期安全性評価では水銀溶出挙動をいかに正確に予測するかが重要である。本研究では水銀廃棄物からの水銀溶出モデルの構築と長期予測のため、想定しうる限りの多様な条件で系統的な基礎的データを取得して整備する。無機水銀の“化学的”メチル化の可能性を実験的に検証し、もし化学的メチル化反応が起こり得るならばその成立条件を洗い出して整理する。
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研究実績の概要 |
水銀は元素でそれ以上分解されないため、人工的なシンクとなる水銀廃棄物の環境上適正な長期管理が必要である。水銀廃棄物は新たな廃棄物であるため、その長期的な劣化や水銀溶出に関する知見は不足しており、長期安全性評価では水銀溶出挙動をいかに正確に予測するかが重要である。本研究では、水銀廃棄物からの水銀溶出モデルの構築と長期予測のため、想定しうる限りの多様な条件で系統的な基礎的データを取得して整備することを目的とする。 1年目は、アルカリ条件(pH8~14、6条件)において硫化水銀(HgS)および3種の廃水銀等処理物(改質硫黄固化体、エポキシ樹脂固化体、低アルカリセメント固化体)からの水銀溶出挙動を環告13号溶出試験により評価した。その結果、アルカリ条件下において、廃水銀等処理物からの水銀溶出挙動は各固化体によってそれぞれ異なることが明らかとなり、固型化剤や固型化条件が水銀溶出挙動に大きく影響していると考えられた。アルカリ条件下における各固化体からの水銀溶出挙動には固型化剤、固型化条件に起因する特徴がそれぞれあることがわかり、実際の埋立処分環境を想定して最適な固型化手法を選択するあるいは追加的な措置を講じることで、より安定した廃水銀等処理物の長期管理の実現が期待できる。今後の課題として、アルカリ条件下においてそれぞれの固化体でどのようなメカニズムで水銀溶出が起きていているのかについて究明する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
水銀廃棄物からの水銀溶出ではアルカリ条件が最も重要な影響因子であり、水銀溶出挙動のpH依存性(pH8~14、6条件)に関する基礎的データを取得するとともに、3種の廃水銀等処理物で水銀溶出挙動が異なることを詳細に明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
2年目は、1年目に明らかとなったアルカリ条件下での水銀溶出挙動(メカニズム)の違いを引き続き究明する。さらに、当初の計画に沿って、他の条件での水銀溶出挙動を順次評価するとともに、水銀廃棄物からの水銀溶出モデルの定式化を進める。
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