研究課題/領域番号 |
23K11499
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64030:環境材料およびリサイクル技術関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
小林 拓朗 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環領域, 主幹研究員 (10583172)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | バイオマス / 熱分解 / バイオガス / バイオチャー / バイオ炭 / メタン発酵 |
研究開始時の研究の概要 |
バイオマス燃焼灰中の金属が引き起こす熱分解過程でのバイオ炭への機能付加と、嫌気性発酵によるバイオ炭中の高分子有機化合物の分解を通したアップグレードを目指す。燃焼灰を用いたバイオ炭の機能向上メカニズム及び効果を最大化する条件を明らかにし、嫌気性発酵による含有有機汚染物質の除去効果を評価する。以上を通して、原料の種類に関わりなく、多孔性、濡れ性、電子伝達効率といった機能に優れ、有機汚染物質の含有濃度を低減する手法を構築する。
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研究実績の概要 |
各種のバイオマスおよびプラスチックを原料とした熱分解を行い、生成した炭化物の特徴づけを実施した。さらに炭化物をメタン発酵槽に投入した際の発酵促進も検討した。バイオマスとプラスチックの混合は、生成するバイオ炭の多孔性を損なう傾向があることが確認されたが、分解温度が低い生分解性プラスチックではその傾向が緩和された。また、CO2ガスを熱分解に導入することで多孔性、比表面積の減少は抑制された。しかしながら、バイオマス中の金属元素濃度およびその種類がCO2との反応性に影響し、もみがらや稲わら等のSiリッチなバイオマスは、900℃以上の高温でなければ反応が進みにくいことも確認された。具体的には、熱重量分析において、灰分中のカルシウムの比率が高い汚泥やカニ、エビ殻はCO2とより低い温度で反応速度のピークを迎える。生成炭化物のメタン発酵プロセスへの投入に関して、炭化物と比表面積とメタン生成速度の増大との間に相関関係が見られ、熱分解による多孔性の損失抑制やCO2導入による多孔質化が有効な方策である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
炭化物の特徴づけや発酵プロセスへの導入に関して、おおむね順調に進展しているが、炭化物に残留する有機汚染物質の抽出及び分析の方法の確立に手間取っており、その点は今年度以降進捗させることが課題である。
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今後の研究の推進方策 |
熱分解へのCO2の導入や生分解性プラスチックへの代替が課題解決に有効である可能性が示唆された。このような条件におけるフェノールやナフタレン等の炭化物への残留について調査を進めるとともに、発酵プロセスにおける挙動も検討する。
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