研究課題/領域番号 |
23K11502
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
奥寺 繁 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20625941)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | DNAバーコーディング / 頸吻亜目 / ヨコバイ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,北海道に生息するヨコバイ科昆虫の全種を対象とした分類学的整理およびDNAバーコーディングのデータバンク構築を行う.本研究の意義は以下の3点である.①分類学的整理とデータベース登録を合わせて行うことで,信頼度の高い情報を集積できる.②北海道に生息する種を網羅的に集約することで,より利便性の高いデータベースの構築が可能となる.③北海道の標本を塩基配列解析に用いることで,北海道個体群の保全や多様性管理に活用できる.
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研究実績の概要 |
北海道内の野外調査として,旭川市を中心に苫小牧,豊富,上士幌,小樽など北海道の各所で調査を行った.とくに十勝岳周辺(美瑛町,上富良野町)では高山帯での定期的な調査を,豊富町ではサロベツ湿原の調査を行い,特筆すべき環境に生息する種の知見を得ることができた. 研究機関の所蔵標本調査として,北海道大学農学部,東京農業大学農学部,東京大学総合研究博物館および愛媛大学ミュージアムを訪問した.この標本調査により,北海道産種の種同定の参考となる情報を得るとともに,また新たな北海道の標本産地データを収集することができた.とくに北海道大学には北海道産種の多くの模式標本が管理されている松村松年博士のコレクションが所蔵されており,そのなかには現在は正体不明種とされている種がいくつか含まれている.そのため,これら不明種を明らかにするうえでも継続した標本調査が必要である. また,9月に佐賀大学で開催された日本昆虫学会全国大会に参加した.このなかではDNA解析に関するいくつかのシンポジウムや小集会が設けられていたため,今後の研究に役立つ情報を収集することができた. 研究成果として,北海道新記録種の14種を報告した.これにより本州との昆虫相比較の新たな材料となること,また北海道への侵入種への示唆を与えることとなった.さらに今年度の野外調査から得られた標本などをもとに,北海道から確認された日本新記録の3種について公表の準備中(投稿中)である.これは極東ロシア地域をはじめとした大陸との関りを検討するうえでとても重要な情報となる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
北海道内での野外調査および標本収集は順調に行われている.また研究機関への標本調査により,北海道に記録のある種の情報整理も進められているため,今年度以降の調査方法の基盤を作ることができた.しかし,DNAバーコーディングに必要な機材の調達は,機材費の価格上昇により予算編成を再検討する必要があったため遅れている.購入機器の再選定は済んでいるため,来年度に速やかに進めていきたい.
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今後の研究の推進方策 |
野外調査による標本収集と研究機関への所蔵標本調査は今年度と同様に継続していく.遅れがみられるDNAバーコーディング作業については,次年度中に必要な機材を調達し,また実験テクニックの習得を他機関で研修を受けて習得する予定である.
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