研究課題/領域番号 |
23K11511
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 和歌山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
スティアマルガ デフィン 和歌山工業高等専門学校, 生物応用化学科, 准教授 (50625259)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ミュゼオミクス / 指標分類群 / 生物多様性モニタリング / ビッグデータ / 系統ゲノム解析 / 次世代シーケンサー / ヒトデ網 / 分子系統 / 生物多様性 / 博物館標本 / ミュゼオミックス |
研究開始時の研究の概要 |
海洋環境にのみ棲息しているヒトデ網は約2千種を含み、その個体数の多さから大きなバイオマスをもち、海底の様々な生態系に重要な役割をもつ。本研究では、(1)最新のゲノム解析技術を用いて、日本近海の多数のヒトデのトランスクリプトーム解析による大量なDNA情報の獲得及び、(2)ゲノム解析に向いていない博物館標本のDNA実験に活用できる遺伝子部分配列マーカーの開発や、(3)多数の博物館標本の複数遺伝子マーカーの解析を行う。本研究では、大量なDNA情報や化石・地史的環境情報を取得し、そのビッグデータセットでヒトデ類の大系統の解析を行い、その多様性変遷と環境変動との相関性を解明することを最大目標とする。
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研究実績の概要 |
本研究「指標分類群ヒトデ類のビッグデータ構築・解析及び多様性変遷の解明」では、次世代シーケンサーを用いて、指標分類群であるヒトデ類のDNA配列を決定し、DNAのビッグデータを得ようとしている。得られたビッグデータを用いて、ヒトデ類の系統分類の解明や系統進化と環境変動との関連性という学術的知見を得ることだけではなく、解析された検体が博物館の収蔵標本になることで、環境モニタリングに必要な、自然史データが信頼できる「リファレンスビッグデータ」の構築に貢献することも目標の一つである。 1~2年目の目標は博物館標本やフィールドワークからのサンプル採取である。これについては、日本国内の博物館から約100種のサンプルが集まり、一部の標本については予備解析が行われ、現在、成果に向けた準備が進められている。また、海外研究機関との調整も行われており、海外からのサンプルの入手も可能になった。今後は、トランスクリプトーム解析に必要なフレッシュサンプルの入手に力を入れる一方で、そもそも目標達成にはトランスクリプトーム解析が必要かどうかを再検討したい。また、これら大量のサンプルをどのようにして解析すべきかの判断を行い、ビッグデータの獲得に努める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記したように、1年目の目標の大部分である標本の入手や一部の予備解析ができたため、1年目の目標の大部分は達成された。従って、総合的に判断する時に、予定通り進展していると判断できると言える。
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今後の研究の推進方策 |
2年目には、サンプル採取に加え、大量の配列データの獲得およびその解析(系統解析や多様性変動解析)が開始される。これらの目標が順調に達成されるよう努めたい。また、海外からのサンプルを確実に入手することや、和歌山県内の様々な博物館やフィールドからのサンプルの確実な入手にも力を入れたい。これらのサンプルのDNAデータの獲得と、それを用いた予備解析に取り組む。一方で、DNAビッグデータの採取方法についても再検討する。すなわち、予算的制約を考慮し、目標達成にトランスクリプトーム解析が必要かどうかを再評価する。マーカーとなる複数の遺伝子の部分配列やミトゲノム全長配列だけでカバーできる場合、現在入手済みのサンプルからできるだけ多くの遺伝子データを獲得することができる。
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