研究課題/領域番号 |
23K11526
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64050:循環型社会システム関連
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研究機関 | 広島商船高等専門学校 |
研究代表者 |
大沼 みお 広島商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70594076)
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研究分担者 |
山崎 博人 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20300618)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 微細藻類 / 藻類バイオ燃料 / 油脂生産 / 油脂抽出 |
研究開始時の研究の概要 |
藻類バイオ燃料は、微細藻類に生産させたトリアシルグリセロールなどの油脂を抽出、改質して得られる燃料である。これまでに、多くの研究開発がなされているが、現状での藻類バイオ燃料費は、石油燃料費より一桁高く、生産工程の様々な点において、コストを削減することが課題である。本研究では、オイル生産の主流となる、培養、濃縮、藻細胞からの油脂抽出の3工程にに注目し、申請者らが単離した増殖能、高油脂生産能、細胞沈降性を有する単細胞緑藻Chlorococcum sp. Nibukawa HS-Aを用いて、長期持続的な大量海上培養法、低コスト細胞濃縮法、藻体燃料化法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、藻類バイオ燃料の普及・発展へ向けて、申請者らが単離した増殖能、高油脂生産能、細胞沈降性を有する単細胞緑藻Chlorococcum sp. Nibukawa HS-Aを用いて、長期持続型大量培養系と低コスト燃料生産工程の構築を目指す。 長期持続型大量培養系について、本年度は、良好な生理状態のシード藻細胞を安定して得るために、油脂含有率が高い細胞が高速高密度で得られる連続シード培養系の構築を試みた。連続シード培養系を構築するに先立って、半連続培養法の確立が必要なため、その構築を行なった。半連続培養法は、本藻の細胞沈降性を利用して、増殖後に細胞を沈降、濃縮し、新しい培地を加えて次の培養を開始する方法である。まず、リン酸を制限した油脂生産培地を用いて半連続培養法の構築を試みたが、油脂生産培地では1回目は増殖するものの、2回目以降の増殖が見られなかった。そこで増殖培地に変えて培養したところ、半連続培養系が構築できた。リン酸を制限した油脂生産培地が半連続培養に向かないと考えられたが、高油脂生産状態の細胞をシード藻にするために、新たにリン酸を制限しない低コスト油脂生産培地の開発を着手した。 微細藻類から液体燃料を得るには、細胞収穫後、脱水→乾燥→油脂抽出→加水分解を経る必要がある。本研究では、脱水から加水分解を、亜臨界水熱反応を用いた単工程に置き換えた、低コスト燃料生産工程を開発する。本年度は、まず、様々な反応温度で水熱反応を行い、油脂抽出を試みた。最終的には油脂を劣化させる窒素をできるだけ排除するため二段階水熱反応を開発する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度半連続培養法を構築し、連続シード培養系の開発を開始する予定だったが、油脂生産培地では半連続培養法を用いた培養ができず、増殖培地に変えて半連続培養法の開発を行なったため遅れが生じた。この結果、実装化に必須となるリン酸を制限しない、低コスト油脂生産培地を開発に着手することとなり、順番は想定したものと異なるが、最終目的に向けて確実に進められている。 低コスト燃料生産工程の開発は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、リン酸を制限しない、低コスト油脂生産培地を完成させる。同時進行で、増殖培地を用いて連続培養法の開発を行う。低コスト燃料生産工程の開発は、初めの計画通り、一段海水熱反応系を完成させ、二段階水熱反応系の開発に進む。
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