研究課題/領域番号 |
23K11536
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
斉藤 崇 杏林大学, 総合政策学部, 教授 (50424213)
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研究分担者 |
山川 俊和 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (70572395)
関山 健 京都大学, 総合生存学館, 准教授 (90583576)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 環境政策 / EU化 / グローバルスタンダード / カーボンニュートラル / サーキュラーエコノミー / EU |
研究開始時の研究の概要 |
EUの環境政策・規制・ルールが、EU域外にも波及して、結果的にグローバルスタンダードとなることがある。こうしたEUの環境政策のデファクトスタンダード化は、国際的な環境政策だけでなく、貿易などの国際経済面や、気候変動およびエネルギー安全保障といった国際政治面にも及んでいる。本研究は、取り組みが急加速に進んでいる気候変動に対するカーボンニュートラルと海洋プラスチック問題等を背景としたサーキュラーエコノミーという2つの具体的事例に対して、①環境経済学、②国際経済学、③国際政治学の3つの学問的アプローチから検討するとともに、それらを総合して研究をまとめていく。
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研究実績の概要 |
本研究では、EUの環境政策が、EU域内および域外に及ぼす効果や影響等について、環境経済学、国際経済学および国際政治学の3つの分野から考え、それらを総合した学際的分析することを目的としている。分析にあたっての具体的対象として、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの2つを取り上げることを予定しており、2023年度はそのうちカーボンニュートラルに向けた取り組みについて研究を進めてきた。 本科研費の研究会では、研究代表者および研究分担者の異なる分野のアプローチから、総合的研究をどのように進めていくかについても検討した。この総合的な観点からの研究は、当初の研究計画においては計画期間の後半に進めることを想定していたが、気候変動に関して具体的なテーマを設定し、早めに研究を進めていくことになった。 研究代表者の斉藤は、現在の環境問題の特徴である不確実性への対応という観点から、これまでの国際環境協定の締結に向けた取り組みについて環境経済学的な観点から考察をおこなった。その際、国際環境協定における成功事例であるオゾン層保護の取り組みと気候変動に関するものとを比較し、「不確実性と環境政策」という視点から考察した。本分析については、2023年8月におこなわれた研究会(経済理論学会問題別分科会(政治経済学の21世紀的構想に関する研究会)、於:北星学園大学)にて報告した。現在、論文執筆に取り組んでいる。 研究分担者の山川は、国際経済学の観点から研究に取り組んでおり、カーボンニュートラルの実現に向けて、エネルギー転換や世界経済の構造がどのように変容していくかについて分析をおこない、論文を執筆している。また研究代表者の関山は、国際政治学の観点から研究を進めており、日本が2020年からカーボンニュートラル政策に舵を切った背景について考察をおこなっており、論文を執筆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は研究代表者および研究分担者それぞれにおいて研究を進めてきた。研究分担者については、論文執筆も含めて概ね順調に研究を進めてきているが、研究代表者は論文の公刊には至っておらず、ペースアップが必要である。なお研究代表者は国や自治体の審議会の委員などの実務的な経験の機会もあり、そうした会議のなかでEUや日本の環境政策についての最新の情報を得ることが出来ていることは、本研究課題を進めるうえで有益なものであり、それを研究に生かしていけるようにしたいと考えている。 また研究計画について、当初のものから少し変更を加えて取り組んでいく予定である。これは本研究課題の独自性の1つである3つの異なる学問分野からの分析とその総合的な研究をより深めていくためのものである。総合的な研究については、研究計画期間の後半でおこなう予定であったが、計画期間の早い段階から取り組むこととなった。2023年度の研究会において、その具体的なテーマについて、気候変動を対象として検討をおこなってきた。2024年度は、研究代表者および研究分担者それぞれの研究を進めていくとともに、総合的な観点からの分析も進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題について、より充実したものにしていくため、研究計画に少し変更を加える予定である。当初の研究計画においては、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーに向けた取り組みそれぞれについて、環境経済学、国際経済学および国際経済学の3つの学問領域から分析を進めていき、研究計画期間の後半で、それらを総合的な観点からまとめていくということを想定していた。この総合的観点からの分析は本研究課題の独自性の1つでもあるため、研究代表者および研究分担者の各分野の研究と並行して、総合的な研究についても進めていく方が良いと考え、2024年度から取り組んでいきたいと考えている。 また研究計画において最終年度に予定していた学会での企画セッションについても、2024年度に開催し、本研究課題のテーマに近い分野の研究者に報告者・討論者を依頼する予定である。本研究課題と関心が近い、かつ異なる学問分野の研究者との交流を広げることで、本研究課題が目指す学際的な研究をより充実したものにしていきたいと考えている。
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