研究課題/領域番号 |
23K11541
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
飯田 義彦 筑波大学, 芸術系, 准教授 (90774802)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 生態系サービス / 森林 / 個体群保全 / トチノキ / 生物季節 / 評価手法 / 源流域 / 保全活動 / 保全戦略 / 社会生態系 / トチノキ個体群 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、森林生態系サービスの保全戦略を構築するために、トチノキ個体群の非木材森林産物(NTFP)をめぐる社会生態系動態に着目し、樹木集団(個体群)の保全価値を学際融合的に評価する。第一に、非木材森林産物の持続的な保全メカニズム、保全のためのローカルナレッジを体系化する。第二に、個体群の集団保全効果を定量的に把握するために、伐って活かす利用形態と伐らずに活かす利用形態を生態経済学的に比較評価する。第三に、森林生態系サービスの保全戦略のモデル化と一般化に向けて、トチノキ個体群の社会生態系動態を示す事例を全国規模で収集し、個体群保全の共通性や差異性について比較分析する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、森林の生態系サービスの評価の一環として、継続モニタリングサイトにて開花期ならびに落葉期にトチノキ個体群の生物季節評価を実施し経年的なデータを取得した。2021年度~2023年度の開花期データを用いて、開花期間に影響を及ぼした気象要因を検討し、原著論文として投稿した。 トチノキ個体群の開花期における蜜量生産の時系列的な把握のために、近傍に設置されている養蜂箱の重量計測システムを独自に開発した。開花期における蜜量の重量変化の試行的な測定を行うとともに、気象観測装置を設置し風や降水量の観測を開始した。冬季の積雪期にトチノキ林内の積雪深自動撮影システムを考案し試行的に計測した。 トチノキ林の保全活動について、京都府綾部市や滋賀県長浜市などで参与観察を行った。また、全国トチノキ学ネットワークの設立参画メンバーとして、全国トチノキ学ネットワーク準備会を2023年5月に滋賀県長浜市で開催し、地域住民、研究者、行政などトチノキ保全に関わる全国レベルでの超学際的研究交流のネットワーク形成に貢献した。 トチノキ個体群の生物季節評価の有する意義を第18回日中韓ランドスケープ専門家会議(国際会議)で発表するとともに、トチノキ個体群の保全戦略を半公開性の資源利用という特徴から考察し、第13回International Conference on Landscape and Ecological Engineeringで発表した。また、日本ジオパークネットワーク大会や日本ユネスコエコパークネットワーク大会にて、地域ベースの保全制度とトチノキ個体群や森林生態系サービスの関係性を考察した発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は生物季節観測を実施し、経年的なデータを取得できた。重量計を用いた計測についてはさらなる改良の余地がある。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、生物季節評価、気象観測を継続的に実施し、森林の生態系サービスの経年的な変化の把握に努める。全国的なトチノキを含む森林の保全制度の分析に着手するとともに、蜜源植物としてのトチノキの機能評価を進める。
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