• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

雲仙西部地域における地熱資源の保護・活用システムの社会実装に向けた実践的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K11545
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
研究機関長崎大学

研究代表者

馬越 孝道  長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 教授 (30232888)

研究分担者 菊池 英弘  長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 教授 (20565254)
渡辺 貴史  長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 教授 (50435468)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード地熱 / 温泉 / 雲仙
研究開始時の研究の概要

本研究は、豊富な地熱資源を有する長崎県雲仙西部地域を対象に、地震・火山学、環境法・環境政策、地域計画学の研究者が協同し、温泉モニタリング手法・データ活用方法の確立、地熱資源の保護・活用に関する法政策運用のあり方の解明、近隣温泉地の受容に資する地熱開発の進め方の解明を目指す。さらに得られた結果をもとに、地元関係者とも協同して、雲仙西部地域における地熱資源の保護・活用システムを構築し、その社会実装を進める。

研究実績の概要

本研究は、豊富な地熱資源を有する長崎県雲仙西部地域を対象に、温泉モニタリング手法・データ活用方法、地熱資源の保護・活用に関する法政策運用のあり方、近隣温泉地の受容に資する地熱開発の進め方について調査研究を行い、それらの成果をもとに、雲仙西部地域での地熱資源保護・活用システムの構築とその社会実装を目指すものである。
温泉モニタリング手法に関しては、小浜温泉13か所、雲仙温泉5か所において、温泉配管への温度センター取り付けによる簡便な方法での温度の連続測定を実施し、各源泉の温度の変動範囲と変動傾向を調べた。また小浜温泉にある雲仙Eキャンレッジ交流センター屋上で気象観測を行い、気象変化が温度測定データへ与える影響を把握した。温泉水の成分分析は、小浜温泉と雲仙温泉各2か所で8月、11月、2月の計3回実施し、このうち予備解析を行った小浜温泉の1か所について、3回の結果および文献資料による1975年以降のデータとの比較において、主要な成分に大きな変動のないことが確認された。これらの調査に加えて小浜温泉では、間欠的な噴湯が起こっていた足湯そばの「温泉噴湯」の近くにタイムラプスカメラを設置し、噴湯現象の発生・停止と海洋潮汐との関係性を明らかにした。
地熱資源の保護・活用に関する法政策運用のあり方については、令和3年3月に制定された「雲仙市地熱資源の保護及び活用に関する条例」の制定経緯を整理するとともに、それ以降の条例の適用状況の調査を行った。
近隣温泉地の受容に資する地熱開発の進め方については、わが国の地熱発電施設と立地環境の特性に関して統計分析を行い、地熱発電施設がその発電規模によって、立地環境の特性が異なることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和5年度は、研究代表者・分担者がそれぞれ専門とする地震・火山学、環境法・環境政策、地域計画学の各分野において、予定した研究を実施することができた。
温泉モニタリングでは、これまでの経験にもとづく測定技術の改良などにより、質のよいデータの取得率が向上し、その結果、各源泉の温度変化の特徴が把握でき、また気象の影響についてもある程度予測できるようになった。また、温泉噴湯の観測は当初計画には入っていなかったが、タイムラプスカメラでの観測により、潮の満ち引きと噴湯活動の関係が詳しく明らかとなった。この噴湯現象は10月以降停止したため、約2か月間のデータしか得られなかったが、大変貴重なものとなった。
地熱資源の保護・活用に関する法政策については、雲仙市地熱資源の保護及び活用に関する条例の制定に至るこれまでの経緯を詳しく整理したことに加えて、現在進行中の地熱開発事業の第一段階(地表調査)のプロセスについて、情報収集を行うことができた。
近隣温泉地の受容に資する地熱開発の進め方については、査読論文として、研究実績の概要で述べた成果を発表した。
以上の活動や成果はほぼ当初の計画通りであり、研究の進捗状況はおおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

温泉モニタリング手法およびデータ活用方法の確立に関しては、引き続き小浜・雲仙両温泉で源泉温度測定や温泉成分の分析を行う。これにより、温泉モニタリング手法のさらなる向上を図るとともに、温泉の中~短期的な変動をより詳しく明らかにする。
地熱資源の保護・活用に関する法政策運用のあり方の解明に関しては、雲仙市及び他の自治体の条例等がどのような経緯で制定され運用されているかについての分析を行い、こうした条例等の法政策の運用を行う場合に考慮すべき課題とその解決策を明らかにする。
近隣温泉地の受容に資する地熱開発の進め方の解明に関しては、小浜、雲仙温泉等の地熱開発に関与した温泉地での文書調査・インタビューにより、地熱開発から活用に至るまでの利害関係者の反応や、進捗に影響を与えた問題と対応策の変遷を解明する。
これらの研究を通じて、地熱資源の保護・活用システムの構築およびその社会実装に向けての課題の抽出と解決策の検討を進める。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 日本における地熱発電施設と立地環境の特性2023

    • 著者名/発表者名
      渡辺貴史,馬越孝道
    • 雑誌名

      ランドスケープ研究(オンライン論文集)

      巻: 16 号: 0 ページ: 126-132

    • DOI

      10.5632/jilaonline.16.126

    • ISSN
      1883-261X
    • 年月日
      2023-12-07
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 雲仙西部地域の地熱開発に関する最近の動き2023

    • 著者名/発表者名
      馬越孝道
    • 学会等名
      長崎県地学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 新たなStatic Shift補正法と三次元解析の安定化により得られた地熱地域の地下浅部比抵抗構造2023

    • 著者名/発表者名
      山下 凪・後藤忠徳・馬越孝道・佐々木裕
    • 学会等名
      物理探査学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Shallow resistivity structure in a geothermal area estimated from a new static shift correction method using spatial filter and stable inversion scheme2023

    • 著者名/発表者名
      Nagi Yamashita, Tada-nori Goto, Kodo Umakoshi, Hiroshi Sasaki
    • 学会等名
      Water Rock Interaction(WRI17)/ Applied Isotope Geochemistry AIG14 in SENDAI
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [図書] 地域のレジリエンスを高める環境科学2023

    • 著者名/発表者名
      渡辺 貴史、黒田 暁
    • 総ページ数
      190
    • 出版者
      九州大学出版会
    • ISBN
      9784798503523
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi