研究課題/領域番号 |
23K11553
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
左右田 直規 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (30345318)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 立憲君主制 / 民主主義 / マレーシア |
研究開始時の研究の概要 |
近年、政治変動期にあるマレーシアでは、国王が象徴的な役割を超える実質的な政治権力を行使する局面が目立ち、君主制と民主主義との関係性が問われている。なぜこうした変化が生じているのだろうか。 本研究の課題は、(1)立憲君主国であるマレーシアの国王が政治権力を拡大している状況とその原因を解明すること、そのことを通じて、(2)同国の立憲君主制と民主主義との間の関係に生じている変化を明らかにすること、ひいては、(3)マレーシアの事例から、立憲君主制と民主主義の持続的な両立の可能性とその問題点を探ることである。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、主として、マレーシアの立憲君主制と民主主義に関する文献資料の収集と先行研究の検討を行うとともに、概説書と学術書の分担執筆の作業を進めた。具体的な内容は以下の通りである。 (1)マレーシア国王宮のウェブサイトやマレーシア国会のウェブサイトなどから国王の発言や動静に関する資料を収集した。また、マレーシアの主要な新聞(オンライン版)やニュースサイトの記事を検索し、マレーシアの現代政治に関する資料を収集した。 (2)東京外国語大学附属図書館ならびにアジア経済研究所図書館で文献資料の収集を行い、現代の君主制に関する理論的文献とマレーシアの立憲君主制と民主主義に関連する先行研究のサーベイを進めた。 (3)来日した複数のマレーシアの政治家ならびに政治学者と意見交換を行い、マレーシアの立憲君主制と民主主義の現状に関する理解を深めた。 (4)『アジア人物史12 アジアの世紀へ』(集英社、2024年)の分担執筆を担当し、マレーシアとブルネイに関する重要人物の評伝を著した。特に第1次・第2次マハティール政権期における民主主義の特徴について考察を行った。さらに、マレーシア国王との比較考察の対象となりうるブルネイ国王に関して検討を加えた。 (5)ムヒディン政権期における非常事態宣言をめぐる国王の対応に焦点を当てながら、マレーシアの立憲君主制と民主主義の関係性を検討した論文を執筆した。この論文は令和6年度中に刊行予定の学術書に収録される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の基礎をなすマレーシア国王に関する一次資料の収集や君主制の理論研究やマレーシアの立憲君主制と民主主義に関する先行研究のサーベイは予定通り順調に進んでいる。さらに、現代マレーシアの民主主義の実態に関する検討の成果の一部も公表している。本研究の中心的な課題の一つである、ムヒディン政権期の非常事態宣言をめぐるマレーシアの立憲君主制と民主主義に関しては、考察の成果を論文としてまとめ、令和6年度中に刊行の予定である。他方、諸般の事情でマレーシアでの現地調査を実施することができなかったが、これについては令和6年度中に実施することで、大きな問題はないと考えらえられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後も国内で文献資料の収集を継続するほか、令和6年度以降はマレーシアでの現地調査を行う。令和6年度中に、ムヒディン政権期の非常事態宣言をめぐるマレーシアの立憲君主制と民主主義に関する研究成果を学術書の収録論文として公表する。さらに、2021年以降のマレーシアの立憲君主制と民主主義に関する考察を行う。研究成果の学会・研究会での報告も予定している。
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