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フィリピンの「残留日本兵」問題史ー地域、外交、記憶の視角から

研究課題

研究課題/領域番号 23K11560
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分80010:地域研究関連
研究機関広島市立大学

研究代表者

永井 均  広島市立大学, 平和研究所, 教授 (40347620)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード残留日本兵 / 第二次世界大戦 / フィリピン / 日比外交 / 戦争の記憶
研究開始時の研究の概要

本研究は、第二次世界大戦を機に生じたフィリピンの残留日本兵の存在が地域社会と外交に与えた影響、両国での記憶のされ方の態様と問題点を分析することで、残留日本兵の今日的な意味を問うものである。具体的には、戦争中ばかりか終戦後も現地社会に影響を与え続け、外交問題にまで発展したフィリピン残留日本兵問題を地域、外交、記憶の三つの観点から検討する。本研究は、戦後もフィリピン各地に潜伏し続けた元日本兵の存在(行動)と現地への影響の事例を具体的に明らかにし、投降後の外交的な処理過程と戦争記憶の生成・継承の問題にも焦点を当てることで、従来の残留日本兵研究を格段に発展させるものである。

研究実績の概要

2023年度はフィリピンの残留日本兵に関する一次資料や文献、新聞(日英)・雑誌記事ほかの資料調査、およびフィリピン現地におけるフィールドワークを行った。いずれも本格的な分析に備えての基礎的な調査と位置づけられる。
資料調査については、国立国会図書館と昭和館で実施した。大きな成果としては、終戦直後、ミンダナオ島とボホール島に潜んでいた日本兵がフィリピン人を殺害し、戦後の戦犯裁判で訴追されたケースを確認したことが挙げられる。これらの事例について、国立国会図書館所蔵の戦犯裁判の記録などを調査した。
他方、初年度に調査を計画していたルソン島南部のソルソゴンでのフィールドワークも予定通り実施した。同地に潜伏していた日本海軍の元水兵長(1955年11月に現地住民によって逮捕)に関する現地調査である。事前に日本外交文書と関連する日英の新聞記事を熟読して調査に臨んだ。ソルソゴンでは地元の図書館で調査したほか、郷土史家や当時、事件を見聞していた現地住民にインタビューすることができた。現地調査の結果等を踏まえ、論文「知られざるフィリピン残留日本兵」を執筆した(2024年7月刊行の『広島平和研究所ブックレット』第10号に掲載予定)。
このほか、1950年代にミンダナオ島で身柄を保護された台湾出身軍属に関する台湾研究者の論文やフィリピンの残留日本兵に関する最も初期の英文書籍などについての情報を得ることができた。また、本研究の一環として、本務校の講義(平和研究Ⅱ)の中で「残留日本兵問題」と題して授業を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ソルソゴンでの調査を実施することができたが、ミンダナオ島で身柄を確保された台湾出身の元軍属に関する台湾での現地調査を行うことができなかった。現時点で情報が極めて限られていることが主たる理由である。今後、最近入手した台湾人研究者の論文を熟読し、論文を執筆した研究者に連絡を取るなどしたうえで、台湾での調査に臨む予定である。
また、現在までに確認できているフィリピンの残留日本兵に関する経歴等の情報については、国立国会図書館での資料調査を優先的に行ったため、防衛省防衛研究所戦史研究センターでの悉皆調査が遅れている。この点については次年度に実施したいと考えている。

今後の研究の推進方策

2024年度は主として台湾でのフィールドワークと防衛省防衛研究所戦史研究センターでの資料調査を実施することを予定している。また、可能であれば、厚生省援護局文書(戦後約30年間、ルバング島に潜んでいた小野田寛郎元少尉に対する帰国後のインタビュー記録)を分析し、日本の学会等で研究発表を行いたいと考えている。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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