研究課題/領域番号 |
23K11562
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 沖縄県立芸術大学 |
研究代表者 |
世良 利和 沖縄県立芸術大学, 芸術文化研究所, 研究員 (10187867)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 奄美 / 映画 / 島育ち / 喜界島 / 映画史 / 戦後史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、太平洋戦争終結後から沖縄の本土復帰に至るまでの期間を対象として、奄美の戦後映画史を多角的に調査し、その全体像を提示しようという試みである。米軍統治下の奄美群島で行われた映画による宣撫と上映の統制、民間業者が行った巡回上映と常設館の経営、本土からの闇フィルムの流通およびその沖縄への影響等について、資料的裏付けと現地調査、関係者への聴き取りを通じて明らかにしたい。また当時の映画に見られた奄美をめぐる表象を分析するとともに、奄美出身者がスタッフやキャストとして映画の制作に残した足跡についても掘り起こす。
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研究実績の概要 |
本研究は奄美を描いた映画や奄美でロケが行われた映画について分析するとともに、奄美各地における映画の興行と受容についても調査し、奄美群島の戦後映画史の全貌を明らかにすることを目的としている。 2023年度は、代表者・世良が現地の研究者および図書館、博物館、教育委員会等の関係者との間に築いてきたネットワークを再確認しながら、資料と情報の収集を行った。研究協力者を同行して奄美大島および加計呂麻島、喜界島を訪れ、戦後の奄美に関する資料調査と現地調査、映画の興行とロケに関する聞き取り調査を実施した。2023年は奄美の日本復帰から70年という節目の年であったため、現地での関連イベントや展示企画も多く実施され、写真や映像を含む新たな資料や情報を得ることができた。 鹿児島県立奄美図書館では、特別許可を得て書庫内にある米軍統治下の琉米文化会館とその後継施設に関連する資料調査を行った。また同図書館では研究協力者および奄美の戦後文化に興味を持つ他分野の研究者による研究集会を開いて相互の交流と情報の共有を図った。この集会では奄美在住の研究者・間弘志を招いて戦後文化史についての講演とディスカッションを行うとともに、代表者の世良からはこれまでに発表していた奄美映画史についての研究成果が配布解説され、研究協力者の名嘉山リサからは奄美を含む琉米文化会館の調査について、同じく鈴木耕太からは琉球芸能の研究について、大嶺可代からは喜界島における映画館跡地調査について、それぞれ報告があった。 今年度の研究成果については、世良が沖縄県立芸術大学で開催された沖縄映画研究会で「映画『島育ち』の原型と喜界島ロケ」を口頭発表したほか、奄美で発行されている雑誌「榕樹」にも「映画『島育ち』と昭和映劇」を寄稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は2回の現地訪問を行って、情報収集のための人的ネットワークの再構築を行うことができた。また奄美の日本復帰70周年記念イベントに参加できたほか、奄美図書館等での資料収集や現地調査による情報収集も順調に進み、成果の一部を口頭発表および寄稿することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に収集した資料や作品の整理・分析を行うとともに、引き続き研究協力者および現地のネットワークと連携しながら調査を行い、映画の興行や撮影に関する資料と情報の収集、関係者への聞き取りの実施を通じて、戦後の奄美映画史に取り組む。
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