研究課題/領域番号 |
23K11564
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
大和田 俊之 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 教授 (20365539)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アフロ・アジア / ミンストレル・ショウ / シティ・ポップ / ポピュラー音楽 / ヒップホップ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はアフリカ系アメリカ人と日本人をはじめとするアジア人の音楽文化の交流史に焦点を当てる。その際に依拠するのが「アフロ・アジア」という学術的なフレームワークである。従来のマジョリティー/マイノリティー研究だけでなく、アフリカ系とアジア系などマイノリティー同士の文化交渉を検証することで、これまで見過ごされてきたさまざまな歴史的事象の掘り起こしにつなげたい。本研究では1950年代から70年代のジャズと1980年代のヒップホップのシーンに着目することで、日米の文化やイメージがどのように交錯したかを検証する。
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研究実績の概要 |
昨年は病気にかかり、4月に入院、手術をし、大学も春学期は長期欠勤したこともあり、思うように研究を進めることができなかった。予定していたアメリカの大学(コロンビア大学、コーネル大学)でのアフロ・アジア関連資料の収集のために渡米することもできず、実行委員を務め、発表も予定していたIASPM(国際ポピュラー音楽学会)の二年に一度開催される大会(アメリカ、ミネアポリスにて6月に開催)も欠席せざるを得なかった。 そうしたなか、19世紀アメリカの娯楽興行ミンストレル・ショウで「ジャパニーズ・トミー」の芸名で活動したアフリカ系アメリカ人の芸人と、万延元年遣米使節団のアメリカにおけるインパクトを論じた「ジャパニーズ・トミーと立石斧次郎─ミンストレル・ショウのアフロ・アジア」が収録された大串尚代、佐藤光重、常山菜穂子編著、巽孝之監修『アメリカ文学と大統領─文学史と文化史』(南雲堂)が7月に刊行された。また、2022年のオンライン連続講座をもとにした講義原稿を大幅に書き換え、昨今の欧米におけるシティポップ・リバイバルを日本のスタジオ・ミュージシャンの再評価の文脈で解釈した論考を日高良祐編『シティ・ポップ文化論』(フィルムアート社)に寄稿した。そのほか、朝日新聞と時事通信の連載は続け、秋には文京区主催のアメリカの音楽文化と人権をテーマにした講演も行なった。年度末までには体調も回復したので、2024年度は一層研究に励みたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アフロ・アジア研究のひとつのプロジェクトであった19世紀アメリカと日本の相互交渉(「日本人」と名乗ったアフリカ系のミンストレル芸人と、万延元年遣米使節団のアメリカにおける影響)について論文を刊行できたことは評価できる。だがほぼ半年間、病気のために研究を進めることができなかったため、海外での資料収集や学会発表、さらには研究者間の情報交換という点で若干研究に遅れが生じていることは否めない。
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今後の研究の推進方策 |
まずは懸案となっているYMOを主題とした英語単著の完成を目指す。また、2024年9月には韓国で日本のニューミュージックと演歌をテーマとした国際学会で発表予定であり、年度末にはオランダで開催される日本のシティ・ポップに関する研究会に出席予定である。編集に関わってきたカントリー・ミュージックをテーマとした書籍(日本のカントリーミュージックの受容なども大きなテーマの一つ)も河出書房新社より11月に刊行される予定である。カントリー・ミュージックにおけるアフリカ系アメリカ人の貢献を強調する研究が本国でも目立つ中、この音楽ジャンルを巡るアフロ・アジアの歴史的交流についても研究を深めたい。
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