研究課題/領域番号 |
23K11568
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
森口 岳 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (00749848)
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研究分担者 |
西 真如 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (10444473)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | NGO研究 / エチオピア飢饉 / アフリカ / JVC / 開発史 / 開発援助 / NGO / 社会史 / 民族誌 / エチオピア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は日本のNGOによるアフリカ開発の社会史を、実際に活動に関わった者たちの回顧をとおして再構築し、思想と実践の関係を考察する新たな援助の民族誌を築き上げることにある。その事例として、民間のNGOである日本国際ボランティアセンター(JVC)の80年代のエチオピア、アジバールでの活動を取り上げ、当時のプロジェクト民族誌を現在の彼ら自身の語りによって構成していく。その上で、70年代からの学生運動ともつらなる日本のアフリカ開発史とエチオピア地域史を接合させていく。
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研究実績の概要 |
今年度の研究は主に申請書で提示した4つの段階である (a) レビュー研究、(b) 関係者インタビュー(c) 現地調査、(d) 成果発表の内、(a) と(b)が予定通りに進捗するに留まった。以下、各項目の進捗状況について述べていく。 (a) レビュー研究:本研究費により史資料の収集が飛躍的にはかどり、開発史研究に関する文献、国内外におけるエチオピア飢饉についての研究資料、また日本の国際NGOであるJVC(日本国際ボランティアセンター)の過去の会誌などの史料が入手できたため、現時点で読み進め、分析中である。またこれに伴う歴史研究(特にオーラル・ヒストリー)の手法についても、NGO研究の視点から検討を重ねている。 (b) 関係者インタビュー:今年度は大阪、愛媛、福岡、また東京都内の関係者7名とのインタビューを行い、アジバール病院立ち上げ前後である1983~1986年当時のエチオピアの状況、および1980年のJVCの立ち上げの経緯などについて証言を得ることができた。 (c) 現地調査:2023年9月に研究協力者とともにエチオピア、アディス・アベバにて調査を行った。その際に旧JVC現地人スタッフ3名と面会し、当時の話を伺った。 (d) 成果発表:歴史研究の方法論についてのみの成果に留まっている。来年度に(a)および(b)の成果の発表を各学会(日本ナイルエチオピア学会など)にて行う予定である。 以上から、本研究における1980年代のエチオピア、アジバール病院プロジェクトの「時代的文脈の検証」と「現地的文脈の検証」の二つのうち、前者の作業は進んだものの後者の作業はやや遅れている状況にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
エチオピアでの現地調査を2023年9月に行ったが、主な調査地となるウォロ県アジバールには内戦の影響から治安が不安視され足を運べず、そのため今回は研究協力者による首都アディス・アベバでの現地ネットワークの再構築とおよび旧JVCスタッフ3名への概要的なインタビューに留まった。
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今後の研究の推進方策 |
現時点でエチオピア北部での内戦はまだ完全には終わっておらず、現地調査はいまだ不安視されている。そのため、2024年度は国内でのJVC関係者のインタビューに専念するのと、また今年度エチオピア現地調査で再構築した旧JVCスタッフへのオンラインでのインタビューなどを行うことで、現地調査を行えない現状を補いたい。またレビュー研究での分析結果などについての成果発表を先行して行うことで、「時代的文脈」の検証を完成させていくものとする。
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