研究課題
基盤研究(C)
本研究は、ベトナム農村における格差構造の変容過程を解明するものである。ベトナムでは工業化の進展度に比して都市への人口流入が進んでおらず、農村がいまだ人口の6割超を抱えている。その農村で2010年代に入って以降、所得格差が拡大している。2015年にメコンデルタの二つの稲作農村で行った質問票調査からは、メコンデルタという一つの地域のなかで、農村内格差の構造が多様化・複雑化していることが明らかとなった。本研究では2015年に質問票調査の対象となった農村世帯のパネルデータを構築し、農村世帯の生計戦略と格差構造の変容過程を、農業・農村を取り巻く諸条件の変化と関連付けながら、実証的に検証する。