冷戦終結後、国際移動は増加し、ありふれたものとなっていたが、コロナ禍によって制限されるものへと一変した。しかし、政策的な移動制限自体は歴史的に繰り返されてきたものである。本研究の目的は、中国朝鮮族の事例を通じて、政策による移動制限がエスニック・マイノリティへ及ぼす影響を明らかにすることである。本研究は、中国朝鮮族の事例から、1930年代からコロナ禍までの、日本・朝鮮半島・中国で行われた移動制限の政策史全体を把握する。次に、このことを通じて、移動制限によってエスニック・マイノリティないし移民が受ける影響や、彼らの生活とネットワークに起こる変化を検討する。
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