研究課題/領域番号 |
23K11584
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 聖学院大学 |
研究代表者 |
春木 育美 聖学院大学, 政治経済学部, 教授 (40554944)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 移民 / 難民 / 排外主義 / キリスト教保守 / 保守的キリスト教 / ヘイト / 差別禁止法 / 韓国 / 移民政策 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、韓国では反難民デモや難民へのヘイトスピーチが深刻化している。本研究は、韓国の排外主義運動の生起とその特徴、および排外主義への対応策について考察するものである。 本研究では、キリスト教保守派を中心とする難民への排外主義運動を事例として、(1)排外主義運動が起きた背景要因、排外主義運動の目的や資源動員構造、担い手などについて明らかにする。(2)韓国社会は排外主義にどう向き合っているのか、包括的な差別禁止法制定に向けた動きなどの対応策を検討する。(3)韓国の排外主義の特徴を抽出することで、排外主義の多様性を確認し、排外主義の類型化に新たな知見を加えることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、韓国の排外主義運動の生起とその特徴、および排外主義への対応策について考察するものである。 研究1年目となる2023年度は、キリスト教保守派を中心とする外国人労働者や難民、性的マイノリティに対する排外主義運動の実態を把握するために、資料収集および現地(韓国)でフィールドワークを行った。韓国社会で高揚するイスラモフォビアの背景要因についてもインタビュー調査を実施した。収集した資料に基づき、排外主義運動が起きた背景要因、排外主義運動の目的や資源動員構造、担い手などの分析を進めているところである。 成果は次の通りである。第一に、韓国に関する入門書を共著で担当し、移民問題に関わる章において初年度の研究成果を一部反映した。第二に、論壇誌への寄稿を通じて、研究成果の社会還元を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで新型コロナ感染症による入国制限などで、フィールドとする韓国現地での資料収集やインタビュー調査を進めることができず一次資料の確保が滞っていたが、本研究開始年度の2023年度後半にようやく現地調査が可能となった。多忙を極めた学内業務の関係から短期間の調査しかできなかったため、2024年度はより長期のフィールドワークを行い、何が排外主義を生起させた要因となっているのか、誰がどんな目的でその担い手となっているのか、排外主義がどのように変化しているのか、調査を進めてきた。併せて、宗教的要因以外にも目配りをしている。韓国において、移民・難民に対する排外主義にはキリスト教的価値観と政治運動としての性格が強くみてとれるが、排外主義運動の動員構造には、イスラモフォビアに基づく一部のフェミニストの活動など、それ以外の要素もみてとれるからである。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、韓国型排外主義の特徴を明らかにし、こうした排外主義の高まりに韓国社会はどう対処しようとしているのか検討する。排外主義への対抗運動や「包括的差別禁止法」制定など、解決策を見いだそうとする議論の動向に目配りし、排外主義緩和策の可能性について考察していく。本研究を通じて、よりよい社会形成のために、いかに排外主義を抑制していけるのか、規範的アプローチによる解決策や緩和策の提示を試みる。
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