研究課題
基盤研究(C)
本研究は、トルコの公正と発展党政権(2002~現在)の前半期に活発化した過去との向き合い(歴史的暴力事件を中心にした謝罪と現在も続く差別の是正)の取り組みと同政権後半期のバックラッシュのそれぞれの過程における、複数の犠牲者アイデンティティの相互作用について、トルコのクルド人を事例に分析する。具体的には、クルド内の様々な政治勢力の犠牲者アイデンティティの語りの多様性と、その多様性がトルコ政治史や地域国際関係史の文脈との相関関係の中でどのように揺れ動くのかを明らかにする。分析には、政党・関連組織・個人による刊行物やメディア発表資料のほか、インタビューなど現地調査で得られたデータを使用する。