研究課題/領域番号 |
23K11626
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 奈良県立大学 |
研究代表者 |
水谷 知生 奈良県立大学, 地域創造学部, 教授 (40781555)
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研究分担者 |
平 侑子 せとうち観光専門職短期大学, 観光振興学科, 講師 (00866882)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | シカ / 野生動物観光 / 公園 / 神社 / 動物飼養 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では概ね1900年以降から確認される,公共的空間である公園・神社でのシカを中心とした動物飼養に着目し,その実態を同時代の資料を収集・整理することにより明らかにするとともに,公園や神社でのシカなどの動物飼養の背景にあるものは何か,公園や神社での飼養が相互に影響を与えていたのか,シカ飼養に関しては奈良のシカの観光資源化が影響しているのかを検討する。公共的空間で動物飼養が数多く行われていた時期において,その背景とその後の経過を整理することにより,わが国における動物飼養の観光対象化の位置づけとその変化,観光資源化を可能にする要因と実現の課題を整理することが可能となる。
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研究実績の概要 |
本研究では,1900年以降,公共的空間である公園・神社でのシカの飼養に着目し,各地の飼養事例とその形態,飼養個体の入手方法などを整理するとともに,20世紀前半の公共的空間での観光対象としての動物飼養の実態を明らかにする。その上で公園,神社での動物飼養が相互に影響を及ぼしていたのか,各地でシカが飼養された背景に奈良のシカの観光資源化が影響しているのかを検討し,さらに観光対象としての動物飼養の課題を検討することを目的としている。 これまで,シカの生息数の多い春日大社周辺と金華山黄金山神社周辺について,シカの譲渡の経過を神社の記録,地方紙記事等の資料により調査した。春日大社から他地域へのシカの譲渡は,戦前を中心に鹿島神宮,弥彦神社,三島大社など神社へのシカの譲渡がみられたが,公園への譲渡の数は多くない。金華山については,戦前に日比谷公園,大沼公園,鹿島神宮などに少数のシカが譲渡されていたこと,戦後,1950年代には多数のシカが各地の動物園,公園,神社に対し分譲されたことを地方紙での報道等から確認した。また,分譲等によって移動した公園等で飼育されているシカについて,文献,現地調査を行った。金華山からの分譲は1950年代から70年代に多くみられたが,その後引き受け先が減り,各地でのシカの飼養は下火になっていったと推定された。 また,戦前の公園でのシカの飼養計画について,本多静六が全国で手がけた設計案を確認し,シカやその他の動物の飼養計画が各地の公園でなされていることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,(1)1900年以降の神社での動物飼養の実態把握,(2)同時期の公園での動物飼養の実態把握,(3)各神社,公園での動物飼養の背景,相互関係の検討とシカ飼養と奈良との関係の検討,を同時代の文献資料収集等により明らかにすることとしている。 (1)(2)に関し,戦前,戦後の国内でのシカの移動と飼養の記録を春日大社や金華山を中心として資料収集することにより,両地域からシカを受け入れた地域,施設を一定程度明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では,(1)1900年以降の神社での動物飼養の実態把握,(2)同時期の公園での動物飼養の実態把握,(3)各神社,公園での動物飼養の背景,相互関係の検討とシカ飼養と奈良との関係の検討,を同時代の文献資料収集等により明らかにすることとしている。 (1)(2)に関し,戦前,戦後の国内でのシカの移動と飼養の記録を春日大社や金華山を中心として資料収集することにより一定程度明らかにすることができた。移動先が特定できたことにより,重点的に調査すべき動物園,公園,神社等が明らかとなり,2024年度からは,それぞれの場所でのシカの飼養状況やその背景を調査することにより,(1)(2)及び(3)について明らかにしていく予定である。
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