研究課題/領域番号 |
23K11635
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
星野 祐子 東海大学, 情報通信学部, 講師 (80435271)
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研究分担者 |
石井 英里子 鹿児島県立短期大学, 文学科 英語英文学専攻, 准教授 (80580878)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 情報推薦 / Web / 視線情報 / 観光情報 / 自然言語処理 / システム開発 / AI / 画像アノテーション / Webページ |
研究開始時の研究の概要 |
先行研究ではSNSに投稿されたデータの収集・分析を行い、文化的背景の異なる人々の興味の違いの抽出、およびWebページ閲覧履歴情報からユーザの嗜好を分析し、より個人の好みに合った観光情報を推薦するシステムに関する研究、ユーザが読んでいる画面上の文章を視線から抽出し、ユーザ嗜好に合った関連情報提供を行うシステムの開発をもとに、開発したシステムの評価を行い、年齢、性別、国籍、観光目的など個人の嗜好に対する適合度を答とする機械学習を行い、より個人の好みに適した情報提供を支援することを目指す。加えて、観光事業者がプログラムレスで容易にシステムの構築・変更ができるアルゴリズムを開発することを目指す。
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研究実績の概要 |
先行研究ではSNSに投稿されたデータの収集・分析を行い、文化的背景の異なる人々の興味の違いの抽出、およびWebページ閲覧履歴情報からユーザの嗜好を分析し、より個人の好みに合った観光情報を推薦するシステムに関する研究やユーザが読んでいる画面上の文章を視線から抽出し、ユーザ嗜好に合った関連情報提供を行うシステムの開発を行った。このシステムの評価を行い、より個人の好みに適した情報提供を支援することを目指してWebページ閲覧によって提供された関連情報の適合度の評価を行った。 検証の結果、提供情報はユーザーが閲覧したWebページ内容との関連度が比較的高かったものの、スクロールや画面遷移時の視線情報が悪影響を与えており、視線によるパーソナライズ化が想定よりも弱くなっていることが判明し、ユーザーごとの差別化に改善の余地があると考えられた。また、視線検出装置の新機種が発売となり、旧モデルは今後販売終了とのことで、新モデルへの機材変更を行った。そのため、視線情報をもとにした注視判定の手法の再検証および閲読文章取得方法の変更を行った。この変更により、同一Webページの中でもユーザーごとに注視していた部分を明確に分ける事ができるようになった。よって、よりパーソナライズされた情報提供が可能になると考える。 また、これまでのシステムではWebページ上の文章のみを対象として自然言語処理系による情報推薦を行っていたが、Webページ上特に観光関連Webページでは画像も多く含まれているため、注視画像の抽出も行い、AI技術による画像のテキスト化を取り入れ、注視文章と合わせてユーザー嗜好の分析に取り入れるようにシステム変更を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
視線計測装置の機種変更を行ったため、当初予定にはなかった前年度までに開発したシステムに機種変更、ライブラリ変更による変更を加え、旧システムと同様に実行できるか、同様の結果が得られるか検証を行った。これにより、当初は若干の遅れが見られたが、新システムへの更新が比較的順調に進み、視線情報をもとにした画像取得機能の追加を予定通り組み込むことができた。 日本語のWebクローリング等による観光情報の収集、データベースの構築などを行い、新システムの動作検証を行ったが、英語のデータベース作成および動作検証まではできていない。しかしながら、新システムへの改修時にこれまで日本語に対応した自然言語処理技術を用いた処理部分を英語などいくつかの外国語にも対応できるものに入れ替えを行うことはできている。 また、この新システムでは取得した画像をAI技術によってテキスト化し、既存の注視位置から取得した文章情報を合わせて、ユーザの嗜好抽出を行うように改修した。この文章と画像を組み合わせたユーザ嗜好の抽出は当初予定では2年目に行う予定であった。 したがって、当初予定で1年目に実施する予定であったデータセット収集の英語部分が未完、2年目に実施予定であった画像も含めた嗜好抽出プログラムの作成ができていることとなり、概ね予定通りの進み具合であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度は日本語のみに対応したシステムの一部開発・動作検証となっていたが、今年度は英語Webページに対応した観光情報推薦システムの開発を目指し、英語Webページをもとにしたデータベース作成、ユーザ視線をもとにした英語Webページからの文章・画像の取得および嗜好抽出機能の開発を行う予定である。 また、日本語話者と英語話者のような生活文化圏の異なるユーザが本システムを使用した場合、同一内容のWebページを閲覧したときにWebページ上のどのような内容に注目しているのか、推薦されるキーワード等に違いがあるのかも検証したい。 このため、秋頃をめどに英語版データベースの作成とシステム改修を行い、1月頃には日本人および外国人協力者を募り、動作検証を行うことを目指している。
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