研究課題/領域番号 |
23K11646
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
松本 京子 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 連携研究員 (20774201)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 気候変動適応策 / 持続可能な観光 / 世界自然遺産地域 / リスク認知評価 |
研究開始時の研究の概要 |
観光セクターは気候変動のみならず社会経済変化の影響に敏感であり,環境・社会・経済・気候の相互の影響を反映した,持続可能な観光を促進するための地域の実情に適した政策が求められている。本研究では世界自然遺産地域を対象に,1)気候変動適応策を含む観光政策の計画とその実行におけるステークホルダーの抽出を行い,気候変動適応策を推進するための地域における問題の構造化とアクター間の役割を明示化する。2)気候変動とそれに伴う環境・社会・経済へのリスク認知とその適応策を選択するための意思決定におけるステークホルダーのギャップを明らかにし,気候変動リスクを考慮した持続可能な観光政策のあり方を提示する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的に基づき,令和5年度は世界自然遺産の登録地域「奄美大島,徳之島,沖縄島北部及び西表島」における気候変動適応策を含む観光政策の計画と実行に関連する行政・民間・市民活動団体などの関係機関を対象にインタビュー調査を行った。 行政を対象にしたインタビュー調査では,気候変動を考慮した持続可能な観光推進における遺産地域での担当業務や他部局との役割分担,自然保護と利用のバランスのとり方,気候変動や災害による影響評価と対策,またその決め方と実施の推進方法,地域住民や観光事業などの関係者間との連携について把握した。一方,市民活動団体を対象とした調査では,気候変動による影響に関する市民参加型モニタリング調査を継続して実施している団体に対して,モニタリング調査の概要及び開催時期ときっかけ,実施者が誰か,継続過程,データの蓄積と精度の確かめ方,活用方法,行政との連携,他の地域住民の関心の有無,地域住民と行政機関との意識のギャップや,モニタリング調査が参加者や社会にもたらしたインパクトについて把握した。 遺産地域では管理に関する地域連絡会議が定期的に開催されモニタリング指標が定められているが,気候変動や災害の社会的な影響については議論が進んでいないのが現状である。しかしながら,遺産地域で事業を展開している市民活動団体やリゾート運営会社らが独自に気候変動に対する認識を高める教育活動や災害対策を実施している事例が見られた。これらの結果を踏まえ,次年度以降に実施予定のアンケート調査に適した地域の選定と調査票の開発を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,世界自然遺産の登録地域の関係機関を対象にインタビュー調査を実施し,対象地における気候変動適応策を含む観光政策の計画と実行に関連するステークホルダーの抽出や意思決定とその実施に関わる人・組織の関係を把握することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は現地調査を継続し,対象地の気候変動適応策の推進におけるステークホルダーの抽出,意思決定とその実施に関わる人・組織の関係を整理し,問題の構造化とアクター間の役割を明示化する。またアンケート調査票を作成し,各ステークホルダーの気候変動へのリスク認知と予防策の実施・準備状況およびその適応策の行動選択要因に着目し,ステークホルダー間のギャップを明らかにし,観光セクターの気候変動適応策実施における関係者間の相互理解の促進と連携体制の構築に向けた提言を目指す。
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