研究課題/領域番号 |
23K11652
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 芸術文化観光専門職大学 |
研究代表者 |
野津 直樹 芸術文化観光専門職大学, 芸術文化・観光学部, 講師 (70927227)
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研究分担者 |
姚 瑶 芸術文化観光専門職大学, 芸術文化・観光学部, 講師 (10737737)
河村 竜也 芸術文化観光専門職大学, 芸術文化・観光学部, 助教 (20912322)
傅 建良 芸術文化観光専門職大学, 芸術文化・観光学部, 講師 (40928347)
高橋 伸佳 芸術文化観光専門職大学, 芸術文化・観光学部, 准教授 (30834882)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 言語景観 / 芸術祭 / 演劇祭 / 観光周遊 / 多文化共生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、豊岡演劇祭を代表的な事例として、国内外から観光客を誘致する国際的文化観光行事における時限的な言語景観のあるべき様相を調査し、異なる文化背景を持つ来訪者が、参加作品の芸術的価値や、開催地周辺の観光資源の価値への理解を深めることで、日本国内の地方都市が観光地としての国際的なブランド価値を高めるために効果的な情報提供手法を明らかにする。また、言語景観の多言語対応を相互の文化的・言語的差異も踏まえた情報提供手段として確立することで、研究成果が文化的マイノリティである外国人移住者がその土地に受け容れられ住みよいと感じることのできる多文化共生社会を実現する礎となることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、豊岡演劇祭を代表的な事例として、国内外から観光客を誘致する国際的文化観光行事における時限的な言語景観のあるべき様相を調査し、明らかにすることである。 2023年度は交付申請時の「研究実施計画」に基づいて、「研究課題1. 豊岡演劇祭2023における時限的な言語景観の高度化」を中心に進めた。 具体的には、まず2023年7月に、前年の「豊岡演劇祭2022」に参加した関係者に対して非構造化インタビューによる質的調査を実施し、豊岡演劇祭の会期中に開催エリアにおける言語景観の課題の洗い出しを行った。また、前年の「豊岡演劇祭2022」会期中にスマートフォン向け観光アプリを通じて取得した参加者の移動経路やチケット購買情報に関するデータを整理し、演劇祭参加者の観劇動向と観光周遊動向の関係性についての分析を試行した上で、観光情報学会の全国大会にて研究発表を行った。これらは、いずれも文化観光行事の参加者の周遊を妨げる要因となり得る地域課題を洗い出す意義があった。 次に、2023年9月には、事前の質的調査で不足していると考えられた言語景観を、「豊岡演劇祭2023」の会期中に実際に設置し、演劇祭参加者の観光周遊を時限的な言語景観による情報提供面から支援した。特に、研究実施計画に記載された会場現地・交通結節点における看板・サイン等の掲出を行った他、会場現地の看板・サインと連動したデジタルスタンプラリーも観光アプリを用いて実施した。 演劇祭の会期後には、(1)演劇祭会期中の参加者へのアンケート、(2)演劇祭会期後の参加者へのインタビュー、(3)観光アプリを通じて取得した参加者の移動経路等の各種調査データを整理し、研究ノートの執筆に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請時の「研究実施計画」における年度計画に記載された実施方法のうち、(1)「豊岡演劇祭2022」の参加者に対してインタビュー調査を実施し、文化観光行事において必要な交通案内や観光情報提供と、現状の豊岡市内の景観から欠落している点を明らかにした上で、(2)演劇祭の参加者が豊岡市内を広域に観光周遊するために必要な時限的な言語景観の内容を洗い出し、(3)質的調査の結果を反映させた言語景観を実際に制作し、「豊岡演劇祭2023」の会期中に開催エリアにて展開することで各種調査データを取得することができたという3点について、予定した期間中に順調に進捗したと考えている。 ただし、周辺観光地での看板・サインや、観光客が音声言語で案内を受けられるサービスの展開は、豊岡演劇祭実行委員会との協議の結果を踏まえて2023年度は見送ることになり、代替調査としてデジタルスタンプラリーを実施する等、一部の実施内容は当初計画から変更することとなった。 演劇祭会期後には、演劇祭参加者から提供を受けた移動経路等の情報や、演劇祭参加者へのアンケートやインタビュー調査によるデータを整理し、研究ノートにまとめ始めているが、年度内に調査結果を公表する段階には至っていないため、区分としては「おおむね順調に進展している」とした。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は「研究課題1. 豊岡演劇祭2023における時限的な言語景観の高度化」について、昨年度の「豊岡演劇祭2023」に関連した取得した各種データを継続して分析し、研究ノートや論文投稿、学会発表等の学術的な成果に繋げていく一方で、「研究課題2. 豊岡演劇祭2024における言語景観の多言語・多文化対応」にも着手する。 具体的には、「豊岡演劇祭2023」における時限的な言語景観の高度化の成果を活かして、「豊岡演劇祭2024」で同様の内容を多言語・多文化に展開していく計画である。 言語としては、訪日外国人観光客の中でも特 に多くの利用が想定される英語と中国語(簡体字)等を検討対象とする。 会期後には、外国人参加者等への調査を元に、日本語話者以外の演劇祭への参加満足度を検証していく計画としている。
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