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観光客への津波避難情報の提供方法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K11660
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分80020:観光学関連
研究機関岐阜聖徳学園大学

研究代表者

森田 匡俊  岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (90566720)

研究分担者 小池 則満  愛知工業大学, 工学部, 教授 (50293741)
岡本 耕平  愛知大学, 文学部, 教授 (90201988)
大呂 興平  大分大学, 経済学部, 教授 (50370622)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード津波避難 / 宿泊施設 / アンケート調査 / ガイダンス動画 / 大分県別府市 / 三重県南伊勢町 / 観光客 / 避難経路 / 空間認知
研究開始時の研究の概要

本研究では,訪問地域についての土地勘が不十分な観光客であっても,津波避難場所まで円滑に到達できるための情報提供方法について考える.避難地図や誘導看板といった既存の情報提供方法の課題を克服する一案として,避難経路と模範的な避難行動を撮影した津波避難ガイダンス動画の有効性について,避難行動実験により検証する.また,津波避難ガイダンス動画が効果的となる地域や観光施設の規模,提供の枠組みなどについて考察する.津波避難ガイダンス動画は,例えば一宿泊施設といった単一の観光事業関連主体での取り組みも可能であり,対応の遅れが指摘されている観光客への津波避難情報提供の改善が期待できる.

研究実績の概要

本研究は,訪問先地域についての空間認知が不十分な観光客であっても,津波避難場所まで円滑に到達することが可能になるような情報提供方法について考えるものである.避難経路と模範的な避難行動を撮影したガイダンス動画の有効性について,避難行動実験により検証することを目的としている.2023年度に実施した調査分析は以下の通りである.
一つ目は,ガイダンス動画による津波避難情報の提供が効果的となる地域や施設規模などの絞り込みを行うために実施した,宿泊施設による津波避難対策の状況把握と課題抽出のためのアンケート調査である.対象としたのは,日本を代表する沿岸観光地であり,施設規模の異なる宿泊施設が多数立地する大分県別府市である.結果,津波避難に関する宿泊客への情報伝達手段には施設規模による差異があること,すなわち小さい宿泊施設ほど一斉放送を実施する館内設備がないため,宿泊客への個別対応が必要となっているという状況などが把握できた.
二つ目は,ガイダンス動画による津波避難行動実験に向けた,調査協力施設の選定と依頼のための現地調査である.具体的には,釣り客などを対象とする小規模な旅館や民宿が多く立地する三重県度会郡南伊勢町において,観光協会や自治体への聞き取り調査と資料収集を行った.その上で,今後の避難行動実験に協力いただける宿泊施設を選定し,調査への協力を快諾いただくと同時に,現状の津波避難対策についての課題を聞き取り調査により把握した.結果,ガイダンス動画による津波避難情報の伝達手段が効果的な解決策となり得る手ごたえを得ることができた.また,今後の実験に向け,迷いやすい場所の特定や,避難経路と避難場所の複数の組合せについての検討と,その結果を踏まえたガイダンス動画の試作を実施した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ガイダンス動画が有効となる地域や宿泊施設規模を検討するための調査に関して,大分県別府市におけるアンケート調査は計画通りに実施はできたものの,アンケートの回収率が想定を大幅に下回った.一般に回収率が低くなる郵送方式ではなく,大学生調査員による訪問回収の方式を試みるなどしたものの,宿泊施設におけるコロナ禍以降の人手不足は深刻であり,特に個人経営などの小規模な宿泊施設からの回答協力を得ることが想定以上に難しかった.結果として,十分なサンプル数とまでは言えず,統計的な処理についての課題を残したため,予定していた成果発表にまで進めることができなかった.追加のアンケート調査や対象施設を絞っての聞き取り調査などの対応が今後必要となっている.
ガイダンス動画による津波避難行動実験に向けた調査は計画通りに進捗している.協力いただける宿泊施設との関係構築も完了し,ガイダンス動画の試作まで進めることができた.また,津波避難行動が必要となる低標高地域の人口分布の変遷に関する地理的データの整備を進めることができた.

今後の研究の推進方策

2024年度の研究推進方針は以下の2点である.
1つ目は,ガイダンス動画が有効となる地域や宿泊施設規模を検討するため補足調査である.大分県別府市におけるアンケート調査では十分な数のサンプル回収にまで至らなかったため,それを補足するための聞き取り調査を進める.アンケート調査における訪問回収時に,今後も協力を得られそうな宿泊施設は複数あったため,そうした宿泊施設へのより詳細な聞き取り調査を検討する.また,小規模な宿泊施設が多数分布している三重県南伊勢町に絞ったアンケートまたは聞き取り調査も検討する.
2つ目は,研究協力関係の構築の進んだ三重県南伊勢町における津波避難行動実験の推進である.実際の宿泊施設からの津波避難を想定し,学生調査員による模擬的な津波避難を実施,模擬避難により迷いやすい場所など,津波避難におけるボトルネックを特定し,ガイダンス動画作成に向けた情報を収集する.また,それを踏まえガイダンス動画を今年度中に完成させる.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 日本列島における標高別の人口分布の特徴と推移2024

    • 著者名/発表者名
      森田匡俊・小野映介
    • 雑誌名

      E-journal GEO

      巻: 19 号: 1 ページ: 65-77

    • DOI

      10.4157/ejgeo.19.65

    • ISSN
      1880-8107
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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