研究課題/領域番号 |
23K11673
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | アール医療専門職大学 |
研究代表者 |
幅崎 麻紀子 アール医療専門職大学, リハビリテーション学部, 教授 (00401430)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ジェンダー・クォータ / 政治参画 / 地方選挙 / 再選 / 政党 / ジェンダー・クォータ制 / 女性の活躍 / ジェンダー規範 / 地方政治 / ネパール |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、女性の政治参画政策としてジェンダー・クォータ制が導入されたネパール(特にネパールの地方部)において、女性枠で地方議会の議員や、女性枠にて地方自治体の執行組織の一員となった女性たちや地域社会の人々へ聞き取り調査を行い、女性の「政治参画の質」の実態を把握し、ジェンダー・クォータ制の長期的な効果や課題を明らかにするものである。
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研究実績の概要 |
本研究は地方の政治セクターにクォータ制が導入されたネパールをフィールドに、政治セクターにおける女性の活躍の実態を、「政治への参画の質」の面からその内容を把握するとともに、活躍を可能にする要因や活躍を妨げる要因について、当事者の女性の経験や認識から研究するものである。 初年度の2023年度は、前年度に実施された統一地方選挙の結果をジェンダーの視点から整理するとともに、選挙管理委員会が発行した選挙結果報告書及び国家女性委員会の年次報告書等など、共和制に移行後2回目の地方選挙について分析している文献を収集し、その内容を整理した。また、オンラインのニューズペーパー(Khabar、Nepali Live Today、Kantipur、The Kathmandu Post など)を閲覧し、本研究に関係する記事や社説を収集した。さらに、翌年度の現地調査に向けて調査訪問先を精査し、質問紙やインタビュー調査票の準備に取り掛かり、現地調査に向けた準備を行った。 その結果、政権与党となるために政党どうしが連立を組むことによって、女性の政治参画に影響を与えている状況がわかった。すなわち、女性は連立の下に立候補から除外され、市長と副市長両者に男性の候補者が立候補し、当選している例があちこちで見られた。その状況について、ジェンダー・クォータという憲法の規程の精神に違反しているとの批判が上がり、選挙管理委員会も政党に女性を推薦するよう求めているものの、政党は女性候補者を推薦しない状況が各地でみられる。政党内での女性の力は弱く、政党の中枢で影響力を持つ女性が非常に少ないという、ネパールのクォータ制の背後にある環境やそれについての世論を把握することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、研究代表者の所属の移動があり、新たな環境にて研究をスタートするまでに時間がかかったため、予定していた聞き取り調査とその分析について、遅れが生じた。しかしながら、既にNGOや知人の協力を得て、インタビュー対象者についての情報を得ているため、前年度に計画していた部分も含めて、20204年度は早期にインタビュー調査を実施する。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、聞き取り調査の項目を決定してネパール語への翻訳を行い、早期に調査票を完成させて、調査を開始する。特に、2023年度の文献調査より課題として浮かび上がった①ダリット女性枠の立候補者が少ない点、②政党の連立によるジェンダー・クォータ制への影響、③再選及び政党による再指名の課題、④ジェンダー・クォータについて人々が抱いている認識などの問題点に焦点をあてながら調査を進める。また、本研究に関係する政府関係資料や新聞記事等を引き続き収集し、情報をアップデートしながら、現地調査を行う。 さらに、これまでのデータを分析し、学会等での発表や報告書の準備を開始すると共に、本研究の研究成果について、ホームページ等で発信する。
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