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「からゆきさん」にみる性・移動・再生産領域

研究課題

研究課題/領域番号 23K11676
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分80030:ジェンダー関連
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

嶽本 新奈  お茶の水女子大学, ジェンダー研究所, 特任講師 (90795056)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワードからゆきさん / 移動 / 性売買 / 再生産労働 / ジェンダー / 再生産
研究開始時の研究の概要

「からゆき」の移動を再生産労働の需要と供給の観点から把握することで、その移動現象を構造的に解釈することが可能になるとともに、娼館を出て以降の経験についても植民地における人種主義とジェンダー秩序に基づく数少ない「経済的営為」の選択肢としてより包括的に考察対象に含めることが可能となる。こうした「からゆき」の「経済的営為」の諸相を考察すべく、再生産労働概念を用いて彼女たちのミクロな経験と、国家・植民地・コミュニティというマクロな動きを接合し、その構造を明らかにする。

研究実績の概要

本課題は、「からゆきさん」と総称される、幕末の開国より海外で性売買に従事していた女性たちについて、性売買だけでなく移動先での人々や社会との関わりを調査・検討することによって、彼女たちの生涯の経験を捉え直そうとしたものである。
2023年夏にマレーシアに調査に赴くことができ、イポーという元「からゆきさん」がいた町の日本人墓地を訪れた。その場所を管理している管理人からも話を伺うことができ、写真も撮らせていただいた。このイポーで旅館を経営していた元「からゆきさん」については、2022年に学会で報告をし、2023年度に論文として『ジェンダー史学』第19号に掲載された。グローバル・ヒストリーとジェンダー分析の接合点を探る内容となったが、本課題の目的である娼館を出た後の「からゆきさん」の足跡を辿り、誰とどのような関係を持つに至ったのかを検討することができた。
また、韓国の東北アジア歴史財団が毎年主催している国際学術大会のテーマが「日本人慰安婦」だったため、報告者の一人として招待され、報告をしてきた。これまで「からゆきさん」とは区別されてきた「慰安婦」だが、共通点も多く、明確な線引きをすることの難しさを主催者、参加者と共有する貴重な機会となった。この報告は来年度に論文化して出版予定である。
今後もさらなる資料調査を進めていきたいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マレーシアでもう少し資料調査が進むと考えていたが、当初の予定より時間がかかってしまったため。

今後の研究の推進方策

資料整理等はアルバイトを雇うなどより効率的に作業が捗る方法を模索して研究を進めていきたいと考えている。元「からゆきさん」の音声資料を検討するにあたり、方言や地名、固有名詞など含めて地元の方の協力が不可欠なので、連携しながら研究遂行にあたりたい。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] ある「からゆきさん」の語りからみる女性の経験とグローバル・ヒストリー2023

    • 著者名/発表者名
      嶽本新奈
    • 雑誌名

      『ジェンダー史学』

      巻: 19 ページ: 21-33

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 「からゆきさん」に/からみる性と権力2023

    • 著者名/発表者名
      嶽本新奈
    • 学会等名
      東北アジア歴史財団主催・2023年日本軍「慰安婦」被害者をたたえる日記念国際学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 木村荘十二監督『からゆきさん』(1937)を紐解く2023

    • 著者名/発表者名
      嶽本新奈
    • 学会等名
      日芸映画祭
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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