フランスでは、就業機会に恵まれにくい(低い学歴・フランス語力、等)とされる女性(移民を含む)が、中・高収入世帯のケア(家事、育児、介護)を安価で「肩代わり」する事態が観察されている。それによって前者の失業、後者における特に女性(妻、母)のケアと就業との両立困難、ひいてはジェンダー不平等といった問題の軽減が実現する一方で、女性間やケアの受益に関する不平等、財政難などが指摘されている。ケア領域で新たな試みが見られるフランスを実例に、資本主義社会におけるケア配置のオルタナティブ(新たな/代替の策)を検討する。
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