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資本主義社会におけるケア配置のオルタナティブ――フランスを手掛かりにして

研究課題

研究課題/領域番号 23K11678
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分80030:ジェンダー関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

新井 美佐子  名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (20313968)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワードケア / ジェンダー / 資本主義 / フランス
研究開始時の研究の概要

フランスでは、就業機会に恵まれにくい(低い学歴・フランス語力、等)とされる女性(移民を含む)が、中・高収入世帯のケア(家事、育児、介護)を安価で「肩代わり」する事態が観察されている。それによって前者の失業、後者における特に女性(妻、母)のケアと就業との両立困難、ひいてはジェンダー不平等といった問題の軽減が実現する一方で、女性間やケアの受益に関する不平等、財政難などが指摘されている。ケア領域で新たな試みが見られるフランスを実例に、資本主義社会におけるケア配置のオルタナティブ(新たな/代替の策)を検討する。

研究実績の概要

資本主義社会では長らく一般に、性別分業・性別格差を「用い」、ケア(家事、育児、介護)の大部分を私的領域かつ女性に委ねてきた。そうした、いわゆるジェンダーについて不公正が問われ、その平等が追求されるようになったことが理由の一つとなってケアの「脱家族化」が試みられた。その程度や方法は、福祉レジームのジェンダー分析とも称される一連の研究が示すように一様ではないが、ケア労働の主たる担い手はいずれの国においても引き続き女性である。本研究が主対象とするフランスでは、ケアの「脱家族化」は、ジェンダー平等促進策としてだけではなく、雇用政策や少子化対策、経済構造の変容への対応等として進められ、一定の結果を残しているが、他方で女性間に格差をもたらす――ケアの社会化によって「ケアレス・マン」の就労を実現し得た中・高スキル女性と、ケアの社会化を低労働条件で支える低スキル女性との分断を招いているとの指摘もある。このような女性間格差は、フランス以外の先進国でも観察されており、ケアを女性職に留め置いたまま、局所的に達成し得たジェンダー平等をどのように評価するかという論点を提起する。加えて、フランスのケアの社会化をめぐっては、財政面や労働力供給の点から持続可能性が問われ、受益の公平性も疑われている。
こうした先行研究の成果を受け、2023年度は主に以下の二点について関連文献・資料の渉猟により研究を進めた。①近年隆盛している、資本主義の持続可能性に関する諸研究においてケアおよびジェンダー不平等はいかに論じられているか、②フランスにおけるケア関連政策、ならびにその影響はどのようであるか(とりわけ男性のケア参画に着目する)。なお、2024年3月にフランス・パリ市で関連文献・資料や情報の収集を行った。これまでの成果をまとめた論文を執筆中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の射程が広い上に、資本主義の多様性アプローチに加え、資本主義の「限界」研究にも援用可能性を見出したため、文献の渉猟に想定以上の時間を要した。

今後の研究の推進方策

文献・資料の渉猟を引き続き主とする。加えて、関連主体(行政機関、企業、労働組合、教育訓練施設、ケア従事者・利用者)や研究者への対面、オンライン、書面でのインタビュー調査を実施して、論拠の補強を試みる。諸事情により上記調査が不可能な場合は研究会を開催する等して課題を掘り下げる。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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