研究課題/領域番号 |
23K11694
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 松本大学 |
研究代表者 |
秋田 真 松本大学, 教育学部, 教授 (70805887)
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研究分担者 |
守 一雄 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (30157854)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 女性観 / FUMIEテスト / ジェンダー / 男女同権教育 / 潜在連想テスト |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの男女同権教育の効果は,授業後に子どもたちに感想を書かせるなどの方法が使われるだけで,科学的な検証はなされてこなかった。それは,児童生徒の男女同権意識の変化を定量的に測定できる有効な手法が存在しなかったからである。申請者らの先行研究では,児童の潜在意識の変化を計測できる「潜在連想テスト」を活用することで,小学6年生における男女同権授業の前後で「女性」に対する潜在意識が変化することを定量的に検証した。本研究では新たに開発した小学校中学年用潜在連想テストを用いて,中学年における男女同権教育の効果の検証を行なう。加えて,東京・青森・長野・香川の小学校における地域差についても検証を行なう。
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研究実績の概要 |
初年度は,SDGs「5_ジェンダー平等」に関連する素材を活用した授業を構想し,青森県内の小学校第4学年生を対象に実施した。その際,授業前後で児童の女性観や性差意識の変化を測定した。その結果,中学年児童でも授業及び測定は実施可能であることが明らかとなった。 嘘のつけない意識測定手法として潜在連想テスト(Implicit Association Test; IAT)がある。IAT では,パソコン画面に提示される単語が「良い意味」か「悪い意味」かを素早く判断し,特定のキーで反応することが求められる。しかし,児童を対象とした場合,相当数のパソコンやソフトの購入が必要である。そこで,研究分担者の守一雄がIATをパソコンなしで実施できるよう開発したのが「集団式潜在連想テスト(FUMIE テスト)」である。このFUMIEテストを用いて,児童の女性観を授業実施前後に測定した。 対象児童を小学校第4学年としたため,授業は総合的な学習の時間にて行った。先に述べたように今年度は授業として成立可能かどうか,さらにFUMIEテストが実施可能かどうかを主眼として実施した。結果,小学校の2単位時間内で測定及び授業を完了させることができた。ただし,対象児童数が有意な結果を示す測定数に満たなかったため,FUMIEテストの結果を明確に示すことができなかった。しかし,授業前に職業に対する性差意識についての調査も併せて行ったが,授業後,児童の性差意識が改善されたことが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,青森県内の児童に対して授業及びFUMIEテストを実施した。また,当初想定していた授業時間前後の検査については,対象が中学年児童であったため,丁寧に説明を行った。よって,予想以上の時間が必要であった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の方策については,対象地域(青森県及び香川県)の小学校の協力を得て授業を行い,児童の女性観について検証を行う。その際,授業前後においてFUMIEテストを実施する。FUMIEテストはテスト用紙(A3サイズ)形式にし,一行ごとに制限時間で処理させるテストである。このテストでは作業量の差が指標となる。IATテストと比較し精度が落ちるものの,FUMIEテストは集団で一斉に実施することができ,実施時間も7分間程度である。そのため,小学校中学年でも容易に取り組むことができる。これらのテストを通して,地域と児童の意識に相関関係を見出していくことを目指す。
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