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粒子線治療における二次中性子測定のための6Li含有水シンチレータの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K11704
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分80040:量子ビーム科学関連
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

岐部 佳朗  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (40583406)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード水シンチレータ / 液体シンチレータ / 陽子線治療 / 中性子測定 / 中性子 / 液体シンチレーター
研究開始時の研究の概要

本研究は「大発光」かつ「粒子識別能力」を持った6Li含有水シンチレータを開発し、陽子線治療などの粒子線治療の際に発生する二次中性子のエネルギー分布や角度分布を正確に測定することを目指している。粒子線治療での中性子被曝は二次発がんの原因となりうるため、生成される二次中性子を正確に評価することは二次発がんのリスク推定をより強固なものにし、粒子線治療の品質向上につながる。本研究の独自性は、商用の水シンチレータを凌ぐ大発光量を持ちつつ、6Liにより素早く中性子を捕獲し、波形弁別に粒子識別をすることで、中性子のみのエネルギーと位置情報を検出できることにある。

研究実績の概要

本研究の目的は、「大発光量」かつ「粒子識別能力」を持った、実用に耐えうる水シンチレータを開発することである。本年度は「大発光量」について研究を遂行した。
本研究で開発を目指している水シンチレータは、水と有機溶媒、リチウム化合物、界面活性剤、発光剤を混ぜ合わせることで作られる。自身の先行研究では界面活性剤に陰イオン性界面活性剤を用いていたが、溶かせる有機溶媒の量に限界があり、それに伴って発光量も1,000photon/MeVが最大となっていた。そこで本研究では界面活性剤として非イオン界面活性剤を採用することにした。一般に非イオン界面活性剤は有機溶媒を多く溶かすことができる。本年度はこの非イオン界面活性剤として、IGEPAL CO-630やポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、Triton X-100、Triton X-305など合計12種類の薬剤でサンプルを作成し、水シンチレータを作成可能かどうか判定した。
その結果、Triton X-100を20重量パーセントとした水シンチレータの作成に成功し、有機溶媒の含有率もこれまでの陰イオン性界面活性剤では18重量パーセントだったところを、24重量パーセントまで増やすことができた。Triton X-100自体にもベンゼン環構造が含まれていることから、先行研究で開発した水シンチレータ以上の発光量が得られるものと期待できる。
発光量の測定については、自身の所属する施設で測定を実施するための準備としてMPPCの読み出し系の整備やLEDによるキャリブレーションシステムの構築などを行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時の計画では、研究開始から三年程度を目処に使用する非イオン界面活性剤の選定を行う予定になっていた。現時点で先行研究よりも多くの有機溶媒を含むことができる非イオン界面活性剤を選定することができている。今後、発光量や透過度などの物理量を測定する過程で期待した性能を有していないことが分かる可能性もあるが、そうなった場合でも本年度蓄積した知見を活かし、より適した候補を選定できると考えられる。

今後の研究の推進方策

次年度は、本年度作成した水シンチレータのサンプルの発光量や透過度を測定し、目標としている「大発光量」を有しているかなどの判定を行っていく。同時に、より多くの有機溶媒を溶かせるレシピや測定した結果を反映させて発光量と透過度のバランスを取ったレシピの追求などを行っていこうと考えている。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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