研究課題/領域番号 |
23K11715
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
沢村 勝 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光量子科学研究所 光量子ビーム科学研究部, 専門業務員 (30354905)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 高調波減衰 / スポーク空洞 |
研究開始時の研究の概要 |
低い周波数でも超伝導加速器をコンパクトにできるスポーク空洞の特徴を生かすため、HOM減衰型スポーク空洞の開発を行う。 HOM減衰型スポークのアルミニウム製モデルを製作し、加速モードに影響を与えず、HOMを十分に減衰できることを確認する。HOM減衰型スポークの製作技術を確立するため、ハーフスポークモデルを用いて、実際の製作を模擬し、製作手順を検証する。さらにHOM減衰型スポークを組み込んだ空洞タンクを製作し、HOM減衰型スポーク空洞が実用可能であることを実証する。
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研究実績の概要 |
高調波(HOM)減衰型のスポーク空洞としてC形導波管を内蔵したHOMスポークを提案した。スポーク空洞は楕円空洞に比べて、加速周波数が同じであれば外径をほぼ半分の大きさにすることができるため、加速器をコンパクトにできる利点がある。しかし大電流の超伝導加速器に必要なHOM減衰器の大きさは周波数で決まるため、スポーク空洞が小さくなってもHOM減衰器の大きさは変わらないため、全体としてスポーク空洞の利点を打ち消してしまう。新しいタイプの高周波伝送線であるC形導波管をスポーク内部に組み込むことにより、加速器全体の大きさをあまり変えることなく、HOM減衰が可能になる。 HOMスポークは、ボアと同軸の開口部でC形導波管とカップリングさせ、スポーク内でC形導波管を同軸に折り返す構造になっている。 HOMスポークの基本的な高周波特性を確認するためにアルミニウム製のHOMスポークモデルを製作した。ボア部分を同軸導波管にしたモデルでは、HOMスポーク単体での伝送特性を測定することができ、HOMスポークの遮断周波数特性を確認した。さらにHOMスポークモデルをスポーク空洞に組み込み、加速モードおよびHOMの外部Q値をネットワークアナライザを用いて測定し、加速モードは減衰させず、HOMのみを減衰させることを確認した。 HOMスポークには半径の違う3種類の円筒と同軸状の円筒間をつなぐ接続板が必要になるが、製作工程をできるだけ簡潔にするため、半円筒と接続板を一体でプレス加工することとした、1種類の金型の設計・製作を行い、銅板、アルミニウム板を用いたプレス加工を行った。プレス加工された部品は3次元形状測定を行い、予定どおりの加工ができていることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アルミニウム製のHOMスポークモデルを製作し、HOMスポーク単体およびスポーク空洞に組み込み、HOMスポークの基本的な高周波特性の測定を行い、HOM減衰効果を確認することができた。 HOMスポークの製作を進めており、HOMスポーク構成部品のうち、1部品に関して金型の設計・製作を行った。油圧プレス機を購入、設置し、プレス加工を行った。プレス加工した部品は3次元形状測定を行い、予定どおりに製作できていることを確認した。これにより当初の研究計画の通りHOMスポークの残りの部品の製作に進むことができる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた結果を基にして、HOMスポーク製作に必要なすべての部品のプレス金型、トリミング治具を製作し、銅板、アルミニウム板およびニオブ板を用いたプレス加工、トリミング加工を行う。加工した部品を組み立てるための溶接加工に必要な機器購入、治具製作を行う。さらに製作各工程において部品の加工精度の測定を行う。
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