研究課題/領域番号 |
23K11716
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
森 道昭 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光量子科学研究所 量子応用光学研究部, 上席研究員 (10323271)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高強度レーザー / イオンビーム / 相対論プラズマ / フェムト秒レーザー / レーザー粒子加速 / イオン加速 |
研究開始時の研究の概要 |
高品質・高加速勾配を特徴とするレーザープラズマイオンビーム源に関する研究を行う。先行実験で手がかりを得ている、キャピラリーアレープレートで形成される特異な加速場構造から生じる、低発散を特徴とするイオンビームの詳細な性能調査と発生メカニズムの調査を行う。本研究を通じ、キャピラリーアレーを応用した高強度レーザー光科学研究の新たな展開に繋げる。
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研究実績の概要 |
本年度は先行実験で保護層の無い特殊なイメージングプレートにより観測しているイオンビームと推測される信号の種の同定とエネルギー分布を明らかにした。 具体的には、この検出した信号が間違いなくイオンであるということを、製作したチャージコレクターで検出し、Time-of-Flight(ToF)信号から粒子の速度(エネルギー)を評価した結果、このイオンは陽子が主であるということが分かった。 一方、このイメージングプレートはこれまで特に低いエネルギーでの感度の較正が行われていなかった事から、量研高崎量子応用研究所(QST高崎研)で評価実験を行った。QST高崎研では10kV Electron Cycrotron Resonance(ECR)イオン源を保有しており、これは陽子や炭素などの様々なイオンビームをpAからμAの幅広い電荷量で発生出来る事を特徴としている。この装置は専らイオン注入源として用いているがこれを陽子(および炭素)の較正データの取得のためのソースとして使用した。実験ではECRイオン源から発生するイオンの電荷量をファラデーカップで計測し、同条件でのイメージングプレートの輝尽性発光量(PSL値)を評価し、データ比較から絶対感度を評価した。その結果、陽子において10keVのエネルギーで10^-3 PSL/個となることが分かった。また更にエネルギーを下げ、2keV近辺までの感度を明らかにし、これまで不明だった低エネルギー領域でのイメージングプレートの感度を明らかにすることができた。 これらの結果から、発生しているイオンは陽子でありそのエネルギー構造は約10keVにピークを持つ準単色構造であることが明らかとなった。さらに発生量としては、概ね2×10^9/srであるということも一連の評価結果より明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験に使っているレーザー装置が20年の稼働を超えていることから、現在、大規模なメンテナンスを行っている。その関係でプラズマの噴出に関する計測実験で遅れが生じているが、それ以外のイオン種の同定とイメージングプレートの較正の項目については当初の予定通り進捗している。また研究の成果の一部については査読のある学術論文として発表した。
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今後の研究の推進方策 |
レーザー装置のメンテナンスが終わり次第プラズマの噴出に関する計測実験を行う予定である。また、レーザー照射条件やキャピラリーの条件を変え発生するイオンビームの性質の変化を計測することで発生メカニズムも明らかにする予定である。
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