研究課題/領域番号 |
23K11744
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
西内 信之 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (70301588)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ユーザ体験 / メタバース / 機械学習 / バーチャルリアリティ |
研究開始時の研究の概要 |
メタバースのコンテンツ作成において、最重要な要因はユーザ体験の設計であるが、メタバース上でのユーザ体験を計測し評価する客観的、総合的な評価方法が確立されていない。そこで本研究では、ユーザ体験のような時間的に連続する状況を、機械学習を用いて総合的、定量的な観点からを評価する手法を検証する。機械学習には、データのグループ化と、学習モデルによる推定という大きな二つの側面を持っているが、これら側面に基づき、メタバース上のユーザ体験に関する時系列の定量的データから、機械学習を用いてユーザ体験をグループ化し、全ての体験を終えた後の総合的満足度を推定する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、メタバースにおけるユーザ体験に関する時系列の定量的データから、機械学習を用いてユーザ体験をグループ化する、および、メタバースにおけるユーザ体験に関する時系列の定量的データから、機械学習を用いて総合的満足度を推定することである。具体的には、実験的に制作したメタバース上のコンテンツ内において実験参加者にタスクを実行してもらい、その際の定量的データとして様々な動作や運動に関するデータ、および主観的データとして総合的満足度を取得し、ユーザ体験のグループ化と総合的満足度の推定が可能であるかを検証する。 以上の目的を果たすために、本研究の研究実施計画として以下の目標AおよびBを設定した。目標Aでは、実験で利用するメタバース上のコンテンツを制作し、コンテンツを訪れたユーザの動作や運動の定量的データが取得可能な環境を構築することとした。目標Bでは、ユーザ体験に関する時系列の定量的データから、機械学習を用いてユーザ体験をグループ化し、総合的満足度を推定することが可能であるかを検証することとした。 以上の目標を遂行するための具体的な年間計画としては、2023年度前期に、本研究テーマに関する先行研究の調査、目標Aの実施計画の立案、メタバースコンテンツの作成であり、2023年度後期は、メタバースコンテンツの作成の継続、および、定量的データの取得の確認を予定していた。2023年度の進捗状況としては、年間計画の内容は全て予定通り遂行した。更に2023年度において、本研究の焦点としている総合的満足度と関係するバーチャル酔い(Cyber Sickness:CS)について、機械学習を用いて定量的データの一つである眼球運動データからCS状態を推定する研究を先行して実施していた。 以上の2023年度に実施した研究に関連する内容にて、2件の国際会議発表、1件の国際ジャーナル投稿(採択)を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2023年度の年間計画として、2023年度前期に、本研究テーマに関する先行研究の調査、目標Aの実施計画の立案、メタバースコンテンツの作成、2023年度後期に、メタバースコンテンツの作成の継続、および、定量的データの取得の確認を予定していた。 本年度の進捗状況としては、年間計画の内容は全て予定通り遂行した。2023年度前期の具体的な進捗状況として、本研究テーマに関する先行研究の調査において、様々な観点からの先行研究を調査することで、本研究テーマの新規性を明らかにした。また、幾つかの先行研究において、VRコンテンツの総合的満足度(Satisfaction)を複数の評価要素(Sense of Presence, Cyber Sickness, Contents)に分解して評価を行う研究が行われており、これら評価方法を参照しつつ研究を進めることとした。目標Aの実施計画の立案として、メタバースコンテンツの内容、実験参加者のタスクの内容について議論した。この実施計画を基に、実験用のメタバースコンテンツの完成まで達成することができた。 2023年度後期の具体的な進捗状況として、実施計画である定量的データ(生体データ)の取得に問題ないことを確認した。更に、本研究の予備的な実験の位置づけとして、総合的な満足度を分解した1つの評価要素であるSense of Presenceに着目し、実験タスク中の実験参加者の定量的データを取得し、機械学習によりSense of Presenceの推定が可能であるか検証を行った。以上の内容は、国際ジャーナルに投稿予定の論文としてまとめている。 また2023年度は、別の評価要素であるCyber sicknessに着目した研究を先行して実施しており、これらの内容をまとめた論文を作成し、国際ジャーナルに投稿して採択された。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の年間計画では、2024年度前期に、目標Bの実施計画の立案、実験実施によるデータ取得、2024年度後期は、実験実施によるデータ取得の継続を予定としてた。 目標Aについては、年間計画の通り、既に2023年度の段階でメタバースコンテンツの作成、定量的データの取得の確認が行えていたが、総合的満足度を分解したより詳細な評価要素についても検証をすすめることとしたため、メタバースコンテンツの若干の修正が必要であることが考えられた。 今年度から実施する目標Bについては、2024年度を通して、実験実施によるデータ取得を行う予定である。具体的には、実験用のメタバースコンテンツにおいて、実験参加者の様々な定量的データ(生体データ)および主観的データとして、当初の計画通りに総合的満足度(Satisfaction)の取得に加えて、複数の評価要素(Sense of Presence, Cyber Sickness, Contents)についても主観的データとして取得する予定である。評価要素の一つであるContentsについては、実験用のメタバースコンテンツにおいて、実験参加者のインタラクションの観点から幾つかの条件を設定する予定である。更に、実験用のメタバースコンテンツ内の音情報の付加についても、実験条件に加える方向で今後検討をしていく。
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