研究課題/領域番号 |
23K11756
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
|
研究機関 | 信州豊南短期大学 |
研究代表者 |
松村 哲也 信州豊南短期大学, その他部局等, 研究員(移行) (20617419)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 高視認性 / 森林環境色彩 / 防護服 / 労働安全 / Hi-Vis. / 森林 / 林業 / Hi-Visibility / 林業労働安全 |
研究開始時の研究の概要 |
以下は、本研究を構成する三本の柱である。 A:色彩が「目立つ」ためには、周囲の色彩からの十分な分離と、面積範囲が重要である。そこで既存のプロファイルから同色クラスタの検出とその色彩値・位置・面積の算出を行う。 B:実際の森林へ色彩サンプルを持ち込み、サンプル周囲に存在する物体の位置・形状を三次元空間点群情報として計測する。既存測定点についても空間情報を追加取得し、蓄積データの強化を図る。 C:主対象を背後の類似色から分離させることを目的として、双方の中間にバッファ色彩領域を設ける。多色構成が備える機能性を評価し、高視認性色彩の機能性を高く維持することが可能な多色安全色彩デザインの要件を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本研究では、死傷事故が多い林業の現状を鑑み、高視認性色彩による注意喚起・意思伝達機能を活用した林業の安全性向上策を補完・強化する方策として、高視認性色彩の機能性を補強する効果的配色を算出し、作業服や装備などに反映する機能性色彩デザインシステムの構築を目指している。令和5年度は、新型コロナ感染症も第5類扱いとなり、森林調査・事業体訪問といった行動が社会的に若干の抵抗感は残るものの徐々に許容が進んできた。そうした状況下で、 (A)林業者を取り巻く色彩環境の測定について、長野林大技術研修会(6,10,11月)、長野県上高地(8月)、国際学会FORMEC(9月イタリア)ブラーノ島(9月イタリア)、八甲田山麓(3月)、FJ出版社(2月)、JIS T8125制定委員会(4-8月)などにて色彩環境調査および聴取調査を実施した。(B)点群情報を取得する3Dスキャナ装置として、安価かつ処理環境の整備されたiPadProを試行している。レーザー強度の限界はあるが、対象物の位置関係を短時間で記録できる効果を得た。 (C)既存の被服・装備品の色彩情報の測定については、SPORTEC(7月東京)、OD総合展(7月)、機械メーカーY社工場(7月青梅)、Austrofoma(9月オーストリア)、林業機械展(11月水戸)、モクコレ(1月)、ウェアラブルEXPO(1月)、ギフトショー(2月)、作業服メーカーO社(2月東京)にて色彩情報採取および聴取調査を実施した。研究成果の発表について、中部森林学会大会(10月富山)、日本森林学会大会(3月東京)にて学術発表の機会を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症も第5類扱いとなり、いまだ若干の抵抗が残りながらも森林調査・事業体訪問といった行動が徐々に社会的に許容されてきたことから、全国各地への調査行を計画していたが、研究統括者である松村の右眼球網膜前膜症の悪化と令和4年7月における手術治療の結果、左右の視覚ギャップが顕著となり、令和5年度に渡り視覚リハビリを要し、行動に制限が残ったため、初年度上半期に計画していた東京大学北海道演習林、沖縄県名護市県有林、琉球大学与那フィールドなど遠方観測地点での調査を延期するなど色彩環境調査調査功程が遅延している。
|
今後の研究の推進方策 |
研究統括者である松村の右眼球網膜前膜症の悪化と令和4年7月における手術治療の結果、左右の視覚ギャップが顕著となり、当初令和5年度の実施を計画していた色彩環境調査を中心に、研究計画の実行が遅延している。令和5年度を通じた視覚リハビリを経て、令和6年5月の現在では、自動車の長距離運転など懸案であった行動の障害は改善している。そのため、令和6年度においては森林訪問調査を再開・加速し、初年度の遅延を挽回する予定である。そこで、当初計画で想定していた夜間の長距離自家用車移動を見直し、公共交通機関による移動や、自動車運転に対応できる補助者を依頼するなど、視覚への集中的な負担を代替する措置を意識した調査研究計画の再検討を進めている。次年度上半期では、徳島県愛媛県高知県地方の石鎚山系剣山系に立地する林業地、青森県秋田県地方のスギ・ヒバ・広葉樹林での森林環境色彩調査、国産林業用防護服メーカーT社への聴取調査、高視認性防護服同時着用状況調査を予定しており、すでに現地関係者との交渉も完了している。
|