研究課題/領域番号 |
23K11762
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
堤 智昭 筑波大学, 人文社会系, 助教 (80759035)
|
研究分担者 |
小助川 貞次 富山大学, 人文学部, 名誉教授 (20201486)
高田 智和 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 教授 (90415612)
田島 孝治 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90611640)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 訓点資料 / 人文情報学 / ヲコト点 / データベース / 日本語史 / 国語学 / 情報資源の構築・管理 / 情報サービス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、訓点の中でも平安・鎌倉時代に広く使われたヲコト点を対象とし、訓点資料を解読するときに作成するヲコト点図(ヲコト点をひとまとめに図示したもの)に着目し、コンピュータを用いて解析・分類を行う。また、ヲコト点に関する情報検索システムの拡充や訓点研究・教育を、情報技術を用いてサポートするための方式についても検討を行う。 これまで手作業で行われていた古典資料(訓点資料)の解読研究にコンピュータ技術を持ち込めるようにすることで、情報化時代に合った環境を整え、これからの訓点研究者の研究をサポートし、かつ新たな人材を育成する環境を整えることを目的としている。
|
研究実績の概要 |
本研究課題は、訓点の中でも平安・鎌倉時代に広く使われたヲコト点を対象とし、訓点資料を解読するときに作成するヲコト点図(ヲコト点をひとまとめに図示したもの)に着目し、コンピュータを用いて解析・分類を行うものである。本研究は、日本語史・国語史・歴史研究の中で訓点研究者が行ってきた訓点資料の解読のプロセスである、訓点資料に付与された訓点の種類に対する分類や解析が、コンピュータを用いてどこまで実現可能かどうかを明らかにすることである。また、ヲコト点(訓点)に関する情報検索システムの拡充や訓点研究・教育を、情報技術を用いてサポートするための方式についての検討を行うことも目的としている。 これらを達成するために本年度は、ヲコト点図データベースに登録されているヲコト点の情報を、保存形態も合わせて、データ整理・検討を行った。また、ヲコト点図の情報工学的アプローチによる計量的分類を試みるため、これまで入力されていなかったヲコト点図データの新規入力も行った。具体的には、国立国語研究所所蔵の古本點圖集二種(私家版)に記載されているヲコト点図を新規に入力した。その他にも、研究分担者が資料を解読する過程で作成したヲコト点図の入力も行っている。 訓点情報検索システムの設計・検討に関しては、国立国語研究所で公開しているヲコト点図データベースを中心とした、一連の訓点情報共有基盤を改良する形で実施している。本年度はヲコト点図データベースを改良する形で、現在のものよりも効率的にヲコト点の情報を検索・提供できるシステムに関して、プロトタイプの設計・実装を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していたデータ入力等は順調に実施できている。一方で、訓点を扱う情報検索システムの開発に関しては、若干の遅れが生じている。これは、2022年から2023年にかけて急速に発達してきた生成AI関連技術を、本研究に応用することが可能か、新しい情報化時代に必要な情報検索システムとはどのようなものかを検討する必要性が生じ、当初の計画よりも時間を要したためである。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は、前年度に入力したヲコト点のデータとこれまでに蓄積されているデータを用いて、ヲコト点図の情報工学的アプローチによる計量的分類を主に行う。その結果も踏まえながら、ヲコト点に関する情報検索システムの改良と、訓点資料の解読の補助を行うシステムの検討・開発を勧めていく。これらの過程で、近年急速に発達しつつある生成AI技術の利用も検討していく。
|