研究課題/領域番号 |
23K11765
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河村 俊太郎 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (90733410)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 大学図書館 / 分類 / 工学 / 東京大学 / 大学図書館史 / 部局図書室 / 学問史 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の大学、特に旧帝国大学では、その歴史において、しばしば各学問分野間に断絶があったことが指摘されてきた。だが、では実際に各分野の知識の体系がどのように当事者たちに可視化されていたのかについては明らかにされてこなかった。そこで、本研究では特に学生にとって学問的知識の体系を理解する仕組みの一つとなっていた、図書館、特に各分野の部局図書室における蔵書分類に注目する。そして、講座や大学の間でどのように知識の体系が可視化されていたのか検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、日本の大学における中央図書館、そして部局図書室における蔵書分類がどのように各学問の体系化の中に位置づけられるのかを部局間や大学間などさまざまなレベルで比較しつつ歴史的検討を行うものである。本年度は、その最初の一歩として、以下の2点を中心に研究を行った。 1. 東京大学の工学部の旧各学科図書室における独自分類の収集を通じて研究を行った。旧各学科図書室を実際に訪問し、古くから残されている台帳や蔵書のラベルなどの検討を行いつつ、それぞれの独自分類成立の背景にある分野や学科の状況について主に文献を通じて調査を行った。東京大学工学部図書室の独自分類は、全てについて明らかにできていないが、教官が独自に考案したものなど多様なルーツがあることが明らかとなった。 2. 図書館、特に大学図書館において独自分類を作成するということがどのようになされ、どのように位置付けられてきたのか、という歴史的および理論的研究を行った。だが、日本十進分類法やデューイ十進分類法といった一般分類法についてはある程度の議論が見られたが、大学図書館の独自分類についてはほとんど検討はされていないことが明らかとなった。そこで、そもそも分類するということはどのようなことなのか、図書館情報学だけでなく、哲学や生物学における議論も参照しつつ、検討を行った。図書館における分類という行為について、学問や生物における分類について相違点と類似点が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大学図書館における独自分類の検討における足がかりとなる多様な分野の議論の整理が進み、これまで集めてきた大学図書館の独自分類をどう位置付けていくのかについて、明らかになりつつある。
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今後の研究の推進方策 |
実際の大学図書館の分類を収集し、その背景を探るという歴史的研究と、分類という行動について検討する理論的研究を引き続き並行して行い、徐々に両者を結びつけていく。
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