研究課題/領域番号 |
23K11766
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
太田 則夫 金沢大学, 法学系, 助手 (10213737)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | テキストマイニング / ソーシャルメディア / 選挙運動 |
研究開始時の研究の概要 |
選挙期間中の候補者の活動に関する多くの研究は、定性的分析手法に依存してきた。これは候補者全般を捉えることが困難なためであったが、「ネット選挙」解禁によってこのボトルネックが解消され、定量的分析をなし得る可能性が広がった。本研究は、国政選挙を中心にサイバースペースを通して候補者たちの発する情報を集めて、定量化し、行動、動機などを可視化することを目的とする
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研究実績の概要 |
本研究では候補者たちが選挙期間中にソーシャル・メディアで発信する情報から浮かび上がる党策や政策論点となるトピックの位置づけを明らかにすることを目的としている。そのためにも収集・処理・蓄積・分析・可視化の手順を踏む。令和5年度は先の手順を試行するために、2023年4月の統一地方選挙、衆参補欠選挙を中心として収集・処理・蓄積のプロセスの確認した。続いて分析・可視化の手順の確認のため2022年の参院選のTwitterデータを用いて行った。 2023年統一地方選挙・衆参補欠選挙:9都道府県知事選挙(33), 6政令都市市長選挙(21), 5衆参補欠選挙(20), データ収集期間:2023年3月23日~2023年4月9日, メディア:Facebook、Twitter 2022年参院選(545):データ収集期間:2022年6月10日~2023年7月10日, メディア:Twitter ※ ()内は候補者数 TwitterはAPIによりデータを収集した。facebookはメタ社の規約によりプログラムでのデータ収集が禁止されているため、人手によるデータ収集を行った。これらのデータを基にデータフォーマットを作成、その後データクリーニングを試行した。分析の試行は統一地方選挙、衆参補欠選挙のデータは少量のため2022年の参院選のTwitterデータ(ユーザ数:486,コメント数:117,038)を使用した。データの分析方法として、まずはグラフィックライブラリwordcloudを用いてツイートの大雑把な概観を把握し、ついで共起ネットワーク分析によって特徴語を抽出した。次に道徳的傾向を見るために、J.ハイトが提唱した道徳基盤理論による分析を行った。このように選挙期間中の候補者たちのメッセージを概観・特徴語・感情(道徳)を可視化しようと試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年統一地方選挙後にツイッター社ではAPIの利用に大きく制限を設けた。それにより本研究で要求される機能を利用しようとした場合には多額の課金が必要となった。フェイスブックに加えてツイッターのAPIが利用できなくなり、本研究のデータ収集はすべて人手によるものとなり、当初の想定での労力を大きく上回ることとなった。2021年衆院選では候補者数は1051人であったが、2024年に開催されるであろう衆議院選挙でも同数程度が立候補するであろうことは予測され、そのすべての候補者のデータを収集できるか非常に不安を感じている。この状況を踏まえて人手によるデータ収集方法の確認及び処理・蓄積までの手順を再整理する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は衆議院の解散による選挙の開催が有力視されており、そのためにも人手によるデータ収集作業量の把握が必要である。場合によって泡沫候補者や比例代表の候補者は対象外とするなどの収集対象を制限する措置を検討する。その上でネットワーク分析や感情分析を行い、政党ごとに特徴が現れるか調査する。それらを取りまとめ論文にまとめ発表する予定である。
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