研究課題/領域番号 |
23K11785
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
|
研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
今泉 修 お茶の水女子大学, 人間発達教育科学研究所, 准教授 (60779453)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 運動主体感 / 身体運動 / 再認記憶 / 脅迫的行動 / リスク認知 / 行為記憶 / 意思決定 / 強迫性障害 |
研究開始時の研究の概要 |
主体感とは「自分が身体や外界の事象を操作している」という実感を指す。本研究では,異常な主体感が生活行動の不全や精神病理へつながる過程を解明することを目的とし,まず主体感の減退と行為記憶エラーや強迫行為,主体感の増進とリスク行動との関連を明らかにする。大規模質問紙調査により主体感と行為記憶・強迫行為・リスク行動との関連性を調べる。また,主体感を操作することが行為記憶やリスク行動にどのような影響を与えるかを心理学的実験で検証する。本研究は,安全を脅かす事故の予防や強迫行為・リスク行動への介入法開発に役立つ基礎的知見を提供する。
|
研究実績の概要 |
行為主体が自己に帰属される感覚を主体感という。異常な主体感がどのように生活行動の不全や精神病理傾向に至るかを解明するため,本研究課題では,主体感の減退による記憶エラーと強迫行為との関連ならびに主体感の亢進とリスク行動との関連を検討する。具体的には,主体感と行為記憶エラー・強迫行為・リスク行動との関連について横断的調査研究や個人差を調べる実験研究,ならびに主体感を操作することで記憶やリスク行動への影響を調べる実験研究によって検討する。本研究課題は,主体感の認知メカニズムとその異常に関する理解の進展,および記憶エラーによる諸問題の予防や強迫行為・高リスク行動への介入法の開発に資する基礎的知見を提供する。 1年目となる今年度は,主体感と強迫行為・リスク行動との関連を明らかにする横断的質問紙調査を行うために必要な,主体感に関する質問票を選定した。その質問票の妥当な日本語版がなかったため,原著者の協力を得ながら邦訳を完成した。邦訳版の妥当性と信頼性を検証するためのオンライン調査用の質問票を作成した。主体感と行為記憶の関連を調べるVR実験装置の設計を完了した。また予備的検討として,運動実行・準備と長期記憶との関連を調べる実験を行った。運動実行は長期記憶を促進するが運動準備に効果はないことを示唆する成果を得たため,これを国内学会で報告した。この他,主体感と強迫行為・リスク行動の関連に関する文献レビューを行ったり,主体感と記憶の関連についての論考を書籍に掲載したりした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた横断的質問紙調査および主体感と行為記憶の関連を調べる実験を完遂できなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
適用可能であれば対面実験だけでなくオンライン実験も取り入れて迅速にデータ収集を行なったり,実験補助者を追加したりすることによって,研究遂行を加速させる。
|