研究課題/領域番号 |
23K11787
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中島 亮一 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (30626073)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 視覚的注意 / 共同注意 / 顔 / エージェント / インタラクション |
研究開始時の研究の概要 |
複数の人間・エージェントが同じ対象へ注意を向ける共同注意は、円滑なコミュニケーションのために重要である。本研究では、エージェントの「顔」(人間の顔に類似したもの、パーツが少ない外見のもの等の様々なタイプ)に注目し、人間とエージェントとの共同注意について検討する。視線を用いた共同注意を対象とし、視線手がかりを出すエージェントの「顔」のタイプによる共同注意の違いや、事前インタラクションにより人間が持つエージェントに対する認識を変えることで共同注意が変わるかを検討する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、人間とエージェントのインタラクション(何らかの関わり合い)における共同注意について検討するために、様々な顔画像を視覚刺激として、視線や顔による視覚的注意の誘導効果を調べる実験を行う。エージェントの「顔」として、1. 人間に近い見た目、2. 模式的な顔、3. 顔の要素(パーツ)がほとんどない見た目を対象として、それぞれのエージェント顔との共同注意について検討を行う。また、そのエージェントと事前にインタラクションをすることで共同注意の強さが変わるかを検討する。 2023年度は、人間に近い見た目の「顔」との共同注意について検討するために、人間に近いCG顔を実験刺激として用いた。相手(人間)の顔が見ている方向に、観察者の視覚的注意が誘導されやすいことは、多くの研究で報告されている。本研究では、その顔に対する認識を変えることによって、視覚的注意の誘導効果が変わるかに注目した。人間は、物理スタンス、設計スタンス、意図スタンスのいずれかのスタンスで相手を認識すると言われている。実験では、参加者への事前の教示によって、CG顔を人間の顔かマネキンの顔のいずれかだと想定させた。人間の顔は意図スタンス(意図を持ったエージェント)で認識され、マネキンの顔は設計スタンス(設計図通りに動くエージェント)で認識されると考えられる。共同注意に両者の「ものを見よう」という意図が関与しているのであれば、意図スタンスで認識された顔による視覚的注意の誘導効果が大きくなると考えられるが、現在その実験データの解析を行っている途中である。 また、人間の顔との共同注意と関連したトピックとして、人間の顔表情の認知をからめた研究も進めた。現在、空間的な注意と表情価(ポジティブな表情、ネガティブな表情)の認知の関係について議論を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CG顔を用いた心理実験の準備に予定よりも時間がかかってしまい、実験の開始が遅くなった。そのため、当初予定していた実験データの解析までは年度内に完了させることができなかった。追加の実験も行う予定ではあるが、最初の実験データは取り終えているので、データ解析を速やかに進めることで、進捗の遅れを取り戻せると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
心理実験の準備は完了し、実験を進める段階にはあるので、今後は計画していた心理実験データの取得を着実に進めていく。そして、データ解析も行い、学会発表や論文発表の準備に着手する。 2024年度は、模式的な「顔」との共同注意についての心理実験研究も進める計画であり準備中である。リアルではない「顔」に対して、意図を感じさせる要因を付加することで、視覚的注意の誘導効果が大きくなるかを検討する。
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