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野生イルカにおいてどのような社会経験を経た個体が生存し子をうまく養育するのか?

研究課題

研究課題/領域番号 23K11793
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分90030:認知科学関連
研究機関近畿大学

研究代表者

酒井 麻衣  近畿大学, 農学部, 講師 (40512299)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワードイルカ / ハクジラ / 鯨類 / 子育て / 社会行動 / 母子 / コドモ期
研究開始時の研究の概要

ハンドウイルカ属は、母親と一緒に過ごす期間(コドモ期)が出生から3年以上と長い。これまでに、母による授乳や遊泳のサポートが重要なのは生後数カ月から1年間程度であることがみえてきた。その後も母子が一緒にいる理由は、母や周辺個体との相互作用により社会経験を積み、社会性を発達させるためと予想できる。本研究では、29年間の水中映像データをもとに、子が経験した相互作用とその後の生存や、母になった時の母子間行動との関係を調べることで「どのような社会経験を経た個体が生存し子をうまく養育するのか?」を明らかにする。

研究実績の概要

伊豆諸島御蔵島のミナミハンドウイルカ個体群において、母親と0歳児の各ペアの水中行動を分析したところ、ペアによって母子間距離に差があることが明らかになった。また、子どもが生まれて早いうちから離れて泳ぐ母親がいることがわかった。これらのことから母親によって子育て行動が異なることが考えられる。今後ペア数を増やして、子の生残と子育て行動のちがいに関連があるかを分析する。繁殖成功例と不成功例をリストアップしたところ、第1子が第2子以降よりも死亡率が高いことがわかった。今後、第1子とそれ以降の子の母子間行動に差異があるかどうか、死亡個体・生存個体と母親との行動に差異があるかどうかを検証する。0歳児は行動の発達が著しいため、月齢によっても母子間行動は変化する。これまで御蔵島では0歳児の生まれ月の情報がほとんどなく、月齢による行動の違いを検証することができなかった。そこでR5年度3月に野外調査を行い、出産が予想されるオトナメスが子を連れているかどうかを確認した。その結果、新生児を連れている個体を1頭、妊娠していると思われる個体を9頭確認できた。加えて、調査に行けない期間に生まれた新生児の情報を把握するため、市民参加型の情報収集を開始した。御蔵島観光協会と連携し、妊娠している個体や新生児を連れている個体を撮影した場合は写真や動画を提供してくれるよう、イルカウォッチング業者に呼びかけた。過去の情報についても同様に情報を募る。今後、妊娠個体と新生児連れ個体の情報を集めたうえで、子の月齢と母子間行動の違いを分析していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在、母子間の社会行動について分析を進めているが、水中ビデオ映像の分析に多くの時間が必要であり、分析の進行がやや遅れている。

今後の研究の推進方策

水中ビデオ映像の分析については、個体識別と社会行動の分析経験を持つ者を雇用する。野生個体の出生情報については、観光協会と連携し市民からの情報収集も行うことで野外調査ができない期間の情報を補完する。ビデオデータは、同じフィールドで研究する共同研究者と共有したり、野外調査の期間をより長くとることで、必要な量を得られるよう工夫する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ハクジラ類にみられる胸ビレ前縁部の構造について.2023

    • 著者名/発表者名
      酒井麻衣, 稲森大樹, 渡辺友梨絵, 阿久根雄一郎, 小林希実, 比嘉克, 吉澤聡吾, 柏木伸幸, 小木万布, 船坂徳子, 森阪匡通.
    • 学会等名
      日本動物行動学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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