研究課題/領域番号 |
23K11794
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 姫路獨協大学 |
研究代表者 |
角山 圭一 姫路獨協大学, 薬学部, 准教授 (70454767)
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研究分担者 |
松浦 健二 下関市立大学, データサイエンス学部, 講師 (20452641)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 学習・記憶 / 長期増強現象(長期記憶形成) / CRMP2 / PFDN5 / アデノ随伴ウイルスベクター / アルツハイマー病 / 長期増強現象 / 記憶障害 / Prefoldin 5 / ウイルスベクター |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、1)マウス脳内にCRMP2及びPFDN5を神経特異的かつ持続的に供給し、個体レベルで長期記憶形成に対するCRMP2及びPFDN5の分子機構を解明する。さらに、2)アルツハイマー病モデルマウス脳内に、CRMP2及びPFDN5を持続的に供給し、アルツハイマー病の記憶障害に対する改善効果とその分子機構を解明する。以上の研究を遂行し、未解明である長期記憶形成の分子機構を解決する糸口をつかみ、記憶障害に対する治療薬の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
学習・記憶の神経基盤であるシナプスの長期増強現象は、蛋白質の新規合成に依存して、シナプス伝達効率の向上をもたらし、短期記憶から長期記憶を形成する。研究代表者らは、長期増強現象(長期記憶形成)下のマウス海馬で、collapsin response mediator protein 2 (CRMP2) や prefoldin 5 (PFDN5) などの蛋白質が新規合成され、長期記憶形成に機能していることを報告した。本研究では、マウス海馬に CRMP2 及び PFDN5 を神経特異的かつ持続的に供給して、CRMP2 及び PFDN5 の長期記憶形成に対する分子機構の解明、アルツハイマー病の記憶障害に対する治療効果の解析を進めている。令和5年度は、マウス海馬へ CRMP2 及び PFDN5 を供給するため、神経指向性が高く、持続的な遺伝子発現が可能であるアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いて、CRMP2 及び PFDN5 を発現するベクターを作製した。令和6年度以降、作製した CRMP2 及び PFDN5 発現ベクターを野生型マウスに投与して長期記憶形成に対する分子機構の解析を、また、アルツハイマー病モデルマウス(変異アミロイド前駆体蛋白質過剰発現マウス)に投与してアルツハイマー病の記憶障害に対する治療効果の検討と分子機構の解析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では CRMP2 及び PFDN5 の長期記憶形成に対する分子機構の解明、アルツハイマー病の記憶障害に対する治療効果を、実験動物(マウス)を用いて解明する。現時点までに、マウス海馬に投与する CRMP2 及び PFDN5 を発現するベクターの作製を完了しており、野生型マウスへ投与できる段階まで進捗した。一方、アルツハイマー病の記憶障害に対する治療効果を解明するために記憶障害を示すアルツハイマー病モデルマウス(変異アミロイド前駆体蛋白質過剰発現マウス)を使用するが、使用するマウスの月齢が12~18か月齢と高いため、実験を行うまでに時間がかかっている。また、アルツハイマー病モデルマウスを自家繁殖で確保しているが、予想以上に産児数が少なく、実験に必要な数のマウスの確保が困難な状況になっている。そのため、現在までの進捗がやや遅れています。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画書にしたがって研究を遂行していくが、研究の遅れの原因になっているアルツハイマー病モデルマウス(変異アミロイド前駆体蛋白質過剰発現マウス)の繁殖・飼育を見直し、実験に必要なマウス数を確保する。令和6年度は、アルツハイマー病モデルマウス数を確保しつつ、野生型マウスを使用した解析を中心に研究を遂行していく予定である。
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