研究課題/領域番号 |
23K11823
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
渡部 裕輝 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (00333328)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 光干渉断層計 / 光音響顕微鏡 / マルチモダリティ / GPU |
研究開始時の研究の概要 |
光干渉断層計(Optical Coherence Tomography:OCT)と光音響顕微鏡(Photo Acoustic Microscopy: PAM)を統合したマルチモダリティ断層イメージングシステムを開発し,新たな生体画像計測を確立する.OCTとPAMでは,それぞれ光散乱と光吸収が画像のコントラストになり,これらは別々の現象であることから,この2つの技術を統合することは互いに補う情報を提供する.さらにGPUを用いた超高速画像処理を開発することで,OCT画像では形態の構造情報を,PAM画像では生命活動を司る機能情報をリアルタイムに表示することができる.
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研究実績の概要 |
光干渉断層計(Optical Coherence Tomography:OCT)と光音響顕微鏡(Photo Acoustic Microscopy: PAM)を統合したマルチモダリティ断層イメージングシステムを開発し,新たな生体画像計測を確立する.OCTとPAMでは,それぞれ光散乱と光吸収が画像のコントラストになり,これらは別々の現象であることから,この2つの技術を統合することは互いに補う情報を提供する.さらに安価なGPUを用いた超高速画像処理を開発することで,OCT画像では形態の構造情報を,PAM画像では生命活動を司る機能情報をリアルタイムに表示することができる. 本年度は,近赤外光(波長840nm)のOCTと青色光(波長450nm)のPAMを統合した実験系を構築した.OCTの光とPAMの光は,ダイクロイックミラーで同軸になるようにし,対物レンズを介して,水槽内に配置したサンプルに照射され,光の吸収によって発生した超音波は,1mm厚のガラスプレートで反射させ,超音波探触子で測定した.パルス光の繰り返し周波数は,OCTのラインカメラのレートを同じ27.9 kHzにし,GPUによる高速画像処理によりリアルタイム表示を実現した.黒いビニールテープを光吸収体,白いビニールテープを光散乱体として,水槽の底に配置し,3次元画像計測を行い,OCT画像では,白黒両方が画像化されているのに対して,PAM画像では,黒いビニールテープのみが画像化されていることが確認できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初,同軸にサンプルに照射されOCTの光とPAMの光は,光の吸収によって発生した超音波を三角プリズムで反射させる案を検討した.しかし,光を走査することで,プリズムによる光路差の影響がOCT画像に出てしまった.そこで,光の走査によって,どの位置でもガラスの厚さが同じであるプレートを採用することで2つのイメージングシステムを統合し,同時計測を可能にした.
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今後の研究の推進方策 |
当初,より生体組織に対して測定深度がある波長1300nmのOCTを採用しようと考えていたが,水槽内で計測するため,水の光吸収が大きくため,波長840nmのOCTを採用した.今後は,波長1300nmの光より水の吸収の影響が少なく,波長840nmのOCTより測定深度がある波長1060nmのOCTを構築し,これをPAMに統合し評価する.さらに,4 個の超音波探触子を検出器に用いて,それらの受信波形から横,縦,斜め方向の位相差から深さ方向へのより細かい変化を提示するPAM の拡張機能を検討する
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