研究課題/領域番号 |
23K11829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
福井 智宏 京都工芸繊維大学, 機械工学系, 准教授 (00451542)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | レオロジー / 懸濁液 / 非ニュートン流体 / 混相流 / 機能性流体 |
研究開始時の研究の概要 |
内皮細胞の生化学物質産生量の拍動依存性を解明することは重要である.従来の内皮細胞を用いた流れ負荷実験では,ポンプから拍出される培養液の流量を複雑に変化させる必要があったが,これは容易なことではない.本研究では,培養液レオロジーを知能化させ,ポンプからの流出量を複雑に変化させることなく,任意の力学的刺激を発現する機能性培養液を創出する.
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研究実績の概要 |
微視的な懸濁粒子の自己組織化の体系的な理解を進め,巨視的な懸濁液レオロジーの機能的制御を達成させるために,まず,新たに開発したRLBM-VFMスキームによる懸濁液流れ解析を行った.これまでの研究により,懸濁粒子の自己組織化の種類とその強度には,粒子慣性力が大きな影響を与えることを示してきた.本研究では,粒子慣性力の効果を,粒子サイズと粒子(流体)速度の両側面から考察した.現時点にて解析中ではあるものの,おおよそ,粒子レイノルズ数を導入することにより,画一的に説明できそうな結果を得た.また,物体力が付加されるような曲がりを有する流路内流れ解析を行った.その結果,粒子の集約現象において,左右非対称な力学的平衡位置を確認すると共に,力学的平衡位置が消失するという新たな興味深い結果を得た.さらに,溶媒部に非ニュートン流体を導入した解析を行った結果,巨視的速度プロファイルに応じた粒子の集約現象を確認した.赤血球を模したソフトパーティクルを用いた解析では,粒子の回転モード(タンクトレッディング,タンブリング)の違いにより見かけ上の流体抵抗(実効粘度に相当)が変化すること,また,この回転モードの遷移が内外粘度比(粒子粘度と溶媒粘度の比)によりコントロール可能であることを示した.これらの結果より,巨視的レオロジーをコントロールするためには,微視的粒子の位置制御が重要であることを確認した.以上の研究成果を,計5編の学術雑誌にまとめた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概要に記載の通り,これまでにミクロな懸濁粒子の流路内位置とマクロな懸濁液の実効粘度の考察を行ってきた.また,今後の大規模計算に向けた,RLBM-VFMスキームの高精度化に関する開発を行ってきた.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの数値解析結果を,微細流路実験観察により検証する.また,実験観察における懸濁液の実効粘度評価のために,新たなレオロジー同定法の提案・検証を行う.
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