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液液相分離を惹起する酵素応答性ウレイド高分子の設計

研究課題

研究課題/領域番号 23K11846
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分90120:生体材料学関連
研究機関東京工業大学

研究代表者

嶋田 直彦  東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (10423972)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワードUCST / 酵素 / 相分離 / 液液相分離 / 高分子
研究開始時の研究の概要

ウレイド高分子は液液相分離(LLPS)挙動に基づいた高温溶解型の珍しい相転移現象を示すことから、新しい温度応答性バイオマテリアルとして応用展開がおこなわれてきた。しかし、体内での応用を目指した時、侵襲的な温度刺激ではなく、他の刺激によって相転移を惹起させる仕組みが必要である。そこで体内に存在している酵素を刺激として利用できないかと考えた。本研究では酵素反応によって高分子中の化学構造が変化することで相転移温度が上昇し、LLPSを引き起こすウレイド高分子を設計する。

研究実績の概要

本研究では体内に存在する酵素を利用することで、温度応答性のウレイド高分子の親疎水性を変化させ、液液相分離現象が起きるような酵素刺激応答性ウレイド高分子を設計することが目的である。今までに疎水性の官能基をウレイド高分子に導入した場合、相分離温度が上昇することを報告してきた。しかし、親水性の分子を導入した際、相分離温度がどのように変化するかの知見が不足していた。本年度はウレイド高分子への親水性分子の導入が相転移温度に与える影響を調べた。最初にポリアリルアミンに対してシアン酸カリウムを添加することで90mol%程度のウレイド基を有するウレイド高分子を合成した。その後、親水性である糖分子を還元的アミノ化によりウレイド高分子に導入した。透析により精製を行い、凍結乾燥によって目的の糖修飾ウレイド高分子を得た。糖の修飾率はNMR測定によって求め、ウレイド高分子上に残存する10mol%のアミノ基すべてに糖が導入されていることを確認した。合成した糖修飾ウレイド高分子を生理的pHおよび塩濃度を有するHEPES-NaoH緩衝液に分散させた。その後、様々な温度で透過率の測定を行った。透過率曲線より相転移温度を求めた。その結果、糖修飾ウレイド高分子は糖導入前のウレイド高分子に比べて大幅に相転移温度が減少したことが示された。以上の結果より、ウレイド高分子に親水性を付与すると相転移温度が減少することが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

親水性の効果を明らかにできており、ウレイド高分子に導入した酵素基質の親疎水性が変化させることで目的の酵素応答性高分子が得られると考えている。本研究は順調に推進されている。

今後の研究の推進方策

本年度はウレイド高分子への親水基の導入が相転移温度に与える影響を調べた。
疎水性の向上は相転移温度を上昇させ、一方で親水性の向上は相転移温度を下降させることを明らかにした。今後はターゲットする酵素の基質を導入した分子の合成を行い、酵素反応によって相分離を引き起こすがどうかを調べる。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Spontaneous Liquid Droplet-to-Gel Transition of Citrulline Polypeptide Complexed with Nucleic Acids2024

    • 著者名/発表者名
      Nomura Shouhei、Miyasaka Ayano、Maruyama Atsushi、Shimada Naohiko
    • 雑誌名

      ACS Biomaterials Science & Engineering

      巻: 10 号: 3 ページ: 1473-1480

    • DOI

      10.1021/acsbiomaterials.3c01716

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Encapsulation in cooling-induced coacervates augments DNA enzyme activity2023

    • 著者名/発表者名
      Komachi Takuya、Kawai Shunya、Hirayama Yuki、Maruyama Atsushi、Shimada Naohiko
    • 雑誌名

      Polymer Chemistry

      巻: 14 号: 41 ページ: 4743-4747

    • DOI

      10.1039/d3py00923h

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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