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ワクチン開発の基盤としての糖鎖ナノアジュバントによる免疫応答機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K11853
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分90120:生体材料学関連
研究機関鹿児島大学

研究代表者

新地 浩之  鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (70770155)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワードアジュバント / ワクチン / ナノ粒子 / TLRリガンド / 金ナノ粒子
研究開始時の研究の概要

組換えタンパクワクチンは、タンパク質抗原を免疫して感染症を予防する安全性の高いワクチンである。しかし、タンパク質抗原だけでは免疫原性に乏しく、免疫原性を高める有効性の高いアジュバントが求められている。この問題を解決するために申請者らは、金ナノ粒子にToll様受容体リガンドと糖鎖を共固定化した2種類の糖鎖ナノアジュバントを開発した。本研究は、糖鎖ナノアジュバントによって誘導される細胞内シグナルを理解し、組換えタンパクワクチンに適したアジュバントを選定することを目的とする。免疫誘導活性の優れた糖鎖ナノアジュバントを選定出来れば、今後、迅速に組換えタンパクワクチンを提供できるようになると期待できる。

研究実績の概要

組換えタンパクワクチンは、病原体のタンパク質抗原を免疫して感染症を予防する安全性の高いワクチンである。しかし、タンパク質抗原だけでは強力な免疫応答を誘導できないため、免疫原性を高める強力なアジュバントが求められている。本研究は、独自に開発した2種類の『糖鎖ナノアジュバント』によって誘導される細胞内シグナルを理解し、ウイルス感染症に対する組換えタンパクワクチンに適したアジュバントを選定することを目的とする。
本研究には、Toll様受容体(TLR)7リガンドまたはTLR9リガンドと糖鎖を金ナノ粒子に共固定化した2種類の糖鎖ナノアジュバントを用いた。マウス骨髄由来樹状細胞を用いて、2種類の糖鎖ナノアジュバントによって誘導される細胞レベルでのサイトカイン誘導活性を評価したところ、TLR7リガンドを用いた糖鎖ナノアジュバントがより高いサイトカイン誘導活性を示すことを明らかにした。次に、タンパク質抗原およびTLR7リガンドを用いた糖鎖ナノアジュバントのマウスへの免疫実験を行った。その結果、TLR7リガンドを用いた糖鎖ナノアジュバントの併用投与によって抗原特異的抗体の誘導活性が有意に向上し、ウイルス攻撃試験においても、高い重症化予防効果を示すことを見出した。
現在、同様の方法で、TLR9リガンドを用いた糖鎖ナノアジュバントを用いた免疫実験を進めており、TLR7リガンドを用いた糖鎖ナノアジュバントとの有効性を比較する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は実験計画をおおむね順調に進めることができた。一方、動物レベルでの免疫試験を優先したため、細胞レベルでの比較解析が十分に行えていない。本研究で予定している実験の手法はおおむね確立できたため、次年度以降も予定している計画を遂行できる見込みである。

今後の研究の推進方策

次年度は、糖鎖ナノアジュバントによって誘導される細胞内シグナルの比較解析を行う計画である。また、並行してTLR9リガンドを用いた糖鎖ナノアジュバントを用いた免疫実験を行い、ウイルス感染症ワクチンに適したアジュバントの選定を進める予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 抗原提示細胞表層のC型レクチン受容体を標的とする糖鎖を用いたドラッグデリバリーシステム2023

    • 著者名/発表者名
      新地 浩之、若尾 雅広、隅田 泰生
    • 雑誌名

      生化学

      巻: 95 号: 5 ページ: 645-649

    • DOI

      10.14952/SEIKAGAKU.2023.950645

    • ISSN
      0037-1017
    • 年月日
      2023-10-25
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 金ナノ粒子をキャリアに用いたセルフ・アジュバント機能を有する組換えタンパクワクチンの開発2024

    • 著者名/発表者名
      村田 光紀, 早川尚宏, 若尾雅広, 隅田泰生, 新地 浩之
    • 学会等名
      日本化学会第104春季年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 金ナノ粒子に固定化したTLR9リガンドのヌクレアーゼ耐性と免疫増強活性2023

    • 著者名/発表者名
      村田 光紀, 下田 真唯子, 新村 真由美, 若尾 雅広, 隅田 泰生, 諸石 寿朗, 新地 浩之
    • 学会等名
      令和5年度日本生化学会九州支部例会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] TLR7リガンド・糖鎖共固定化金ナノ粒子の粒径および糖鎖構造が免疫刺激活性に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      赤池 駿弥, 若尾 雅広, 隅田 泰生, 諸石 寿朗, 新地 浩之
    • 学会等名
      令和5年度日本生化学会九州支部例会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Enhancement of immunostimulatory activity of CpG oligo deoxynucleotide by conjugation to α-mannose immobilized gold nanoparticles2023

    • 著者名/発表者名
      Koki Murata, Ryo Jufuku, Mayuko Shimoda, Mayumi Niimura, Masahiro Wakao, Yasuo Suda, Toshiro Moroishi, Hiroyuki Shinchi
    • 学会等名
      Glyco 26 (International Symposium on Glycoconjugates)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 合成TLR9リガンドのα-マンノース固定化金ナノ粒子への複合化によるアジュバント効果の増強2023

    • 著者名/発表者名
      村田 光紀, 下田 真唯子, 新村 真由美, 若尾 雅広, 隅田 泰生, 諸石 寿朗, 新地 浩之
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 鹿児島大学大学院理工学研究科 生命有機化学研究室 (若尾・新地研究室)

    • URL

      http://www.cb.kagoshima-u.ac.jp/lab/biochem-lab/index.html

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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