研究課題/領域番号 |
23K11873
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
浜崎 禎 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (60433033)
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研究分担者 |
岳元 裕臣 熊本大学, 病院, 助教 (50883021)
山川 俊貴 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 客員教授 (60510419)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | heart rate variability / machine learning / monitoring system / smart hospital / cyber-physical system / intracranial pressure / neurological emergency |
研究開始時の研究の概要 |
脳神経疾患の急性期には、出血や浮腫による頭蓋内圧亢進から不測の状態急変が起こり得るが、状態監視は間欠的にならざるを得ないことが患者管理の隙になってきた。頭蓋内圧亢進の背景に交感神経過活動があることが知られている。本研究は、従来モニタされている心電図のみをデータソースとし、心拍変動指標を機械学習を用いて分析し、頭蓋内圧上昇による状態急変を監視する次世代の患者管理システムの開発を目的とした。医療のデジタルトランスフォーメーションが具現化するスマートホスピタルへの実装により、医療サービスの質の向上に寄与する。
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研究実績の概要 |
脳神経疾患の急性期治療においては、刻々と変化する患者の状態を監視し、状態急変をいち早く察知して適切に対応することが重要である。本研究は、脳神経疾患急性期における脳内出血や浮腫が引き起こす患者の状態急変を監視する患者管理システムの開発を目的としている。病棟においてモニタされる心電図から心拍変動解析を行い、急変の原因となる脳出血/脳浮腫-頭蓋内圧亢進-交感神経過活動を早期に捉え得る指標low frequency (LF) / high frequency (HF)比、また機械学習を用いた心拍変動指標の異常検知の2つの方法で分析する。 2023年度は、脳神経外科病棟のstroke care unit (SCU)において心拍変動指標持続的記録システムを構築し、18例の脳神経疾患急性期患者(全例くも膜下出血)に対して記録を行った。このうち2例において記録中の出血による状態急変が起こった。 また、脳室ドレナージや頭蓋内圧モニタを挿入する患者数が少ないことを想定して、研究計画に記載した通り、心電図以外の生体情報を解析に取り入れる準備を行っている。これは、血圧、呼吸、心電図、脳波、あるいはカメラの動画のような「フィジカル空間」における生体情報をセンシングしてビッグデータとして「サイバー空間」に蓄積・分析し、意味のある結果をアクチュエータとして「フィジカル空間」にフィードバックする、いわゆるサイバーフィジカルシステム研究である。病棟における監視カメラの動画を解析するcomputer visionにおいては、動作解析にOpenPose (Cao et al., arXiv:1611.08050, 2017), 画像認識にはYOLO (Redmon et al., arXiv:1506.02640v5 [cs.CV], 2016)を導入し、患者動画を用いた予備的解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実施の概要に記載した通り、心拍変動指標持続的記録システムを構築し、脳神経疾患患者からのデータ収集を実現した。しかし、18例の患者に脳室ドレナージや頭蓋内圧モニタを挿入した患者が含まれておらず、頭蓋内圧と心拍変動指標の同時記録には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者である浜崎の所属機関が、2024年4月1日付けで熊本大学から琉球大学に移動し、脳神経外科学講座の診療及び研究の責任者となった。2024年度は、移動先の琉球大学おいても引き続き計画に基づいて研究を推進する。 頭蓋内圧・心拍変動同時記録システムを構築し、神経疾患急性期患者を対象として引き続きデータ収集を行う。また、2023年度のように脳室ドレナージや頭蓋内圧モニタを挿入した患者数が少ないことを想定して、研究計画に示したように、血圧、呼吸、脳波の生体信号の同時記録、また 監視カメラの動作解析や認識を行うcomputer visionの手法を取り入れ、心電図以外の生体情報収集も計画する。 共同研究者である岳元と山川とは、Slack(https://slack.com/intl/ja-jp/)を媒介として日常的な研究連携を行う。
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