研究課題/領域番号 |
23K11874
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
吉本 佳世 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 講師 (00735409)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 位置推定 / 3次元計測 / 画像処理 / 分光反射率推定 / 内視鏡 / 3次元 |
研究開始時の研究の概要 |
内視鏡の発達により,消化管の診断・治療技術は格段に向上してきた.しかし,内視鏡は視野が狭く,一度に消化管全体を確認することが困難である.そこで,本研究では内視鏡映像から食道や胃全体の3次元形状を取得するシステムの開発を目指し,その基本要素技術の確立を目指す.胃の粘膜など生体組織は特徴が少なく,3次元形状を取得するために必要な画像間のマッチングを正確に行うことが困難である.そこで,特徴を増やすためにマルチスペクトラルイメージングに着目し,カラー画像から推定した分光反射率を用いて疑似マルチスペクトラル画像を生成することにより,画像間のマッチング割合を向上させて高密度の3D画像取得を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究では内視鏡映像から食道や胃全体の3次元形状を取得するシステムの開発を目指している.本年度はカメラパラメータ推定方法の構築および機械学習を用いて誤ったマッチング点を除去した位置推定について検討した。 生体組織は特徴が少なく、3次元形状を取得するために必要な画像間のマッチングを正確に行うことが困難である。そこで,特徴を増やすためにマルチスペクトラルイメージングに着目する。しかし、マルチスペクトラルイメージングを用いるためにはフィルタなどが必要となり、光学系が大きくなってしまうため内視鏡への適応には適さないため、カラー画像から推定した分光反射率を用いて疑似マルチスペクトラル画像を生成し、画像間のマッチング割合を向上させて精度を上げることを考えた。この方法を用いるためにはカメラの波長感度が必要であるが、内視鏡などではこれらのパラメータが不明となっているため推定する必要がある。そこで、フィルタを用いて実際に取得した分光画像を用いて校正を行い、感度が未知のカメラにおいても一度パラメータの推定をすることで分光反射率推定が行えることを確認した。 また、別途マッチングの誤りについて機械学習を用いて除去する方法について検討した。特徴マッチングにより得られたマッチング点をエピポーラ幾何、オプティカルフローの長さ、再投影誤差により評価し、機械学習を用いて誤ったマッチング点と正しいマッチング点の分類を行うことで正しいマッチング点のみでカメラの移動推定を行うシステムを構築した。得られた特徴すべてを用いると、誤ったマッチングの影響によりカメラ位置の推定結果の誤差が大きくなったが、提案手法を用いて正しいマッチング点と考えられるもののみ利用すると推定精度が向上することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、カメラパラメータの推定手法の構築とカメラの位置推定についての検討を行うことができており、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度行ったカメラの位置推定には、通常のカラー画像を用いた特徴マッチングを使用しており、分光反射率推定を用いて特徴を増やした状況では行っていない。今後は擬似マルチスペクトラル画像を作成し、作成した画像から取得した特徴点を用いてマッチングを行うことでより精度を上げていくことを考えている。また、3Dスキャナを用いて取得した3次元形状と、画像から推定した3次元形状の比較を行う予定である。
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