研究課題/領域番号 |
23K11875
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 日本医療大学 |
研究代表者 |
岡田 一範 日本医療大学, 保健医療学部, 准教授 (30772389)
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研究分担者 |
村山 迪史 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (10964497)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2027年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 心エコー / 心房細動 / 左房スティフネス |
研究開始時の研究の概要 |
心房細動は脳梗塞や心不全の温床となる危険な不整脈であり、生活習慣病や加齢で発症リスクが増加する。心房細動の高リスク例を精度よく検出できれば、是正可能な危険因子への治療介入などにより、その発症を予防できる可能性がある。 我々は、心エコー法で肺静脈血流と左房容積変化を分析することで、“左房硬さ”を評価する手法を開発した。この手法は、従来法より精度よく心房細動の高リスク患者を弁別できる可能性がある。そこで、本研究ではこの新しい“左房硬さ”指標が、心房細動の高リスク例の検出に有用かを検証する。 本研究で得られる成果は、心房細動の発症抑制に貢献する可能性がある。
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研究実績の概要 |
当初の予定通り、非侵襲的左房硬さ指標のカットオフ値を探索する観察研究を実施した。 本学の研究倫理委員会の承認を受け、令和2年3月から令和5年3月までに心エコー図検査が行われた洞調律の連続例をピックアップしたところ、除外基準を満たさない356例が研究の対象者として選択された。これらについて、検査日以降の心房細動の発生の有無を調査したところ、中央値964日の経過期間において、19例に心房細動の新規発生がみられた。 生存時間分析では、我々が提唱した左房硬さ指標(肺静脈血流速度波形の収縮期波と拡張早期波との間の窪みと拡張早期波との比を左房圧変化の代替指標、左房ストレイン解析によって得られた受動的伸展期のストレイン値を容積変化の代替指標として求めた両者の比)や既存の左房硬さ指標(E/e’と左房グローバルストレインとの比)は、いずれも心房細動の発生と有意に関連していた。また、ROC解析を用いて、両指標のカットオフ値を算出することができた。 さらに、心エコー図検査と長時間心電図検査が同時期に施行された158例について、左房硬さ指標と心房細動の前駆段階と考えられる「頻発する上室性不整脈(Excessive supraventricular ectopic activity, ESVEA)」との関係を検討したところ、左房ストレインや左房硬さ指標は、左房サイズよりも、ESVEAを有する患者さん(心房細動発症の前駆段階と考えられる患者さん)の弁別に有用であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、非侵襲的左房硬さ指標が心房細動の発症と有意に関連することを示すことができ、またそのカットオフ値を設定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、得られたカットオフ値の妥当性を検証する前向き観察研究を実施する。
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