研究課題/領域番号 |
23K11885
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
九里 信夫 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (10761299)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ミエリン / 認知症 / ニューロモジュレーション / リハビリテーション / 電気刺激 / 動物実験 / 光遺伝学 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化が急速に進む日本において、加齢に伴う認知機能低下を予防する手法の構築は急務である。近年、神経軸索を囲むミエリンの神経活動依存的な再形成が、記憶や学習の成立に重要であることが明らかとなり、認知機能低下を予防するための治療標的としてミエリンが注目されている。しかしながら、ミエリンの再形成を促進するための効果的な手法は確立されていない。本研究は、電気刺激を用いた神経活動の変調がミエリン再形成の促進に与える影響を明らかにすることを目的とする。さらには、認知症モデル動物を対象に、認知機能に関わる神経回路のミエリン再形成促進が認知機能障害に与える影響を検証する。
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研究実績の概要 |
高齢化が急速に進む日本において、加齢に伴う認知機能低下を予防する手法の構築は急務である。脳神経細胞の軸索を包むミエリンは、神経伝導速度の高速化だけでなく、記憶や学習機能の実現に重要であることが報告されており、加齢に伴う認知機能低下を予防するための標的として注目されている。ミエリンは神経活動依存的にリモデリングをしていると考えられていることから、神経活動を活性化することで形成・再形成が促進することが期待される。しかしながら、どのような神経活動パターンがミエリンの形成・再形成に効果的なのかはわかっていない。そこで本研究では、光遺伝学の手法を用いて惹起した様々な神経活動パターンがミエリン形成・再形成に与える影響、および、脳機能に与える影響を明らかにすることを目的とする。 本年度は、光遺伝学の実験系、ならびに、ミエリン塩基性タンパクを免疫染色した組織切片からミエリン量やオリゴデンドロサイト数等を解析するための実験系を構築した。また、ミエリン量の変化が脳機能の向上に寄与するかどうかのスクリーニングとして、脱髄を呈するモデル動物のミエリン化促進が、脳機能に与える影響を行動実験により検証した所、有意な機能向上が認められた。加えて、ミエリン化の促進が認知機能へ与える影響を検証するために使用する予定である両側総頚動脈を慢性狭窄した血管性認知症モデル動物の作製方法を確立し、当該モデル動物の神経活動や局所脳循環動態を覚醒行動下にて経時的に計測し、解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
セットアップも完了し、実験結果も得られ始めていることから、順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
光遺伝学の手法により、様々な光刺激パターンで神経活動を惹起し、それら刺激パターンとミエリン変化(ミエリン量やコヒ―レンシー等)の関係を引き続き検証していく。刺激パターンの組み合わせは無限にあるので、局所電場電位(ローカルフィールドポテンシャル)の解析によって得られた周波性成分を参考に、与える刺激パターンに優先順位をつけて実験を進めていく予定である。
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